40代から受けるべきがん検診とは?

厚生労働省が発表した「平成29年(2017)人口動態統計」によると、がんは日本における死亡原因の第1位。死亡者数は年間30万人を超え、高齢になるほど割合が高くなります。特に女性は、乳がんや大腸がんの罹患数が多く、40代に入るとそのリスクがより高まっていきます。

最近は診断や治療の進歩により、早期発見・早期治療をすることで、命に関わる状況を回避できる可能性も高くなってきました。そのためにも、定期的にがん検診を受けることが重要です。
40代以降の女性が受けるべきがん検診について、ライラさんに教わりました。



【PROFILE】

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ライラさん(40歳)

医療・美容を多く手がける編集者/ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性質。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。

40代になったらどんな検診を受けるべき?

高校時代のクラスメイトとの女子会中のライラさん。カジュアルなワインバルのテーブルでは、健康の話で盛り上がっています。

みきさん 「40代に入ってから、何かと不調が多いのよね」

かおりさん 「そういえばテレビで、40代から女性特有のがんのリスクが高まるって聞いて、ちょっと心配。でも、いったい何をしたらいいのか...」

ライラさん 「そうね。健康診断は受けてる?」

かおりさん 「専業主婦になってから受けていないの。そういえば、乳がん検診は受けたけど、それだけで大丈夫かしら」

みきさん 「女性は乳がんが一番多いっていうから、それだけでいいと思ってたわ...!人間ドックに行ったほうがいいのかなぁ?」

ライラさん 「乳がんや子宮がんなど、女性特有のがんはもちろんだけど、40代に入ると大腸がんや肺がんのリスクも高まるのよ。せっかくだから、がん検診について詳しく説明するわね」

女性特有のがんや、胃・大腸・肺がん検診を忘れずに!

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今や、がんは日本の国民病。特に、体の転換期でもある40代は、ホルモンバランスの乱れががんの発症率に大きく関わっているのよ。

日本人間ドック学会の全国集計(2015年)の結果によると、乳がん患者の中で、40〜49歳が占める割合は34.1%、子宮がんでは40.4%と、ほかの年齢と比べて比率が一番多いことがわかったの。こういった女性特有のがんは、特に注意が必要ね!

女性のがんで死亡率が高いのは、大腸がんや胃がん、膵臓がん。乳がんは、検診などで早めに見つけられることも多いので、罹患率が女性においては最も多い一方で、死亡数は低くなっているの。しかし、大腸がんなどは見つかりにくいこともあって、だいぶ進行してから気付くことが多いそうよ。

乳がんや子宮がんは、継続して検査を欠かさないことが重要。それに加えて、胃や大腸、肺がんの検診も忘れずに受けましょうね。

女性特有のがん...乳がんと子宮がんの検診方法とは?

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女性特有のがん、乳がんと子宮がんの検診について説明するわね。





乳がん検診

40代以降に罹患率が急増するのが乳がんよ。とはいえ、20代でも罹ることがあるから、年代にかかわらず検査を受ける必要があるわね。検査は、医師による問診や視触診に加えて、マンモグラフィや超音波検査が行われます

マンモグラフィは乳房のX線撮影装置で、触診だけではわからない小さなしこりや、乳がんの初期段階である微細な石灰化をチェックすることができるの。また、超音波検査は、10~20分程度の痛みのない検査。放射線を使用しないので、妊婦さんでも安心して受けられるわよ。

乳腺の多い20~30代やしこりの種類によっては超音波検査だけでもいいけれど、40歳以上の方はマンモグラフィと超音波検査を両方行うことでより詳しい結果が得られるといわれているわ。乳がん検査の詳細については、次の記事で紹介しているのでチェックしてみて!

乳がん検診は痛い?検査の種類と検診の流れをチェック

普段から鏡で自己チェックすることも大事なので、しこりや違和感があれば、すぐに乳腺科を受診してね。なお、厚生労働省では、40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィ検診と視触診の併用診断が推奨されているわよ。



子宮がん検診

子宮がんといっても、子宮頸がん子宮体がんの2つがあるの。

子宮頸がんは、子宮頸部と呼ばれる子宮の入り口付近で発生することが多いため、発見しやすいがんといわれているわ。20代後半~30代後半という若い世代でも発症するリスクがある上、40代以降にも多いがんなので、幅広い年代で受診する必要があるのよ。

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子宮頸がん――実は40代以降に意外と多い女性特有の病気


検査は、子宮頸部の細胞をブラシで採取するという方法。痛みはないので安心してね。

一方の子宮体がんは、子宮体部の内側を覆う、子宮内膜にできるがんで、50代~60代に増えるといわれているわ。超音波検査と子宮内膜の細胞を採取する細胞診を組み合わせて行う検査よ。

子宮体がんと子宮頸がんは発生する場所が違うので、子宮頸がん検診では子宮体がんの異常を見つけることはできないの。子宮筋腫や卵巣の異常などを発見するきっかけにもなるから、婦人科検診として一緒に検査してみましょう。検査内容は医療施設によって違うので、受診する医療機関に問い合わせてみて。

40歳を過ぎたら気をつけたい、大腸・胃・肺がんの検診方法とは?

40代になったら、大腸がん、胃がん、肺がんのリスクが一気に高まるから必ず受診してね。それぞれの検査について紹介するわ。

大腸がん検診

2016年の国立がんセンターの調査によると、女性のがんによる死亡数が最も多いのは大腸がん。このがんの検診は、検便による便潜血反応検査が一般的ね。自治体や職場などで実施している検診を利用するといいわ。もっと精密な検査を受けたい人は、人間ドックなどで大腸内視鏡検査を受けられるわよ。

大腸がんが発生する危険年齢は40代後半といわれているの。45歳以上の方は、便潜血検査よりも精度の高い大腸内視鏡検査をされることがおすすめよ。



胃がん検診

胃がん検診は、バリウムによるX線撮影が一般的。大腸と同じように、内視鏡(胃カメラ)検査での検診も可能よ。家族に胃がんの方がいる、お腹の症状がある、食欲がない、ピロリ菌がいるといわれた方や、ピロリ菌の除菌をした方などは、内視鏡検査がおすすめ。

内視鏡検査は口や鼻から管を入れるため、つらい検査といわれているけど、最近では鎮静剤を使うなど、リラックスして受けられるところも多いようね。

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なお、厚生労働省では、50歳以上の方を対象に2年に1度の受診が推奨されているわ。



肺がん

喫煙者はもちろんですが、非喫煙者にもリスクのある肺がんの検診は、胸部X線撮影(レントゲン)で行われるわ。施設によっては、胸部X線検査よりも精度の高い結果が得られる胸部CTによる検査というのもあるの。たばこをたくさん吸う人だと、たんを採取してがん細胞があるかチェックする喀痰細胞診も行うことがあるわよ。

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40歳を過ぎたら、年に1回は肺がん検診を受けることが望ましいといわれているの。特に、喫煙者は定期的な受診を忘れずにね。

備えあれば憂いなし。定期的ながん検診を心掛けて

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がんと聞くと、どうしても命のリミットを意識して暗い気持ちになってしまうけど、現代では早期発見・早期治療が死亡率の低下につながるのよ。早く見つけて適切な治療を受けることができれば、決して命が奪われるものではないととらえて、定期的にがん検診を受けましょう。

年に1回の行事として、毎年スケジュールに組み込んでみるのはどうかしら?



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