閉経後に生理が...!?不正出血や病気のサインについて解説します

閉経後であっても時折、出血があるという人がいます。それを「生理の名残かも」や「たまたま出血しただけ」などと、そのままにしていませんか?
実は、閉経後に起こる出血には、思わぬ病気のサインの可能性があるといいます。

今回は、医療ジャーナリストのダイアナさんが、閉経後の出血について、考えられる原因と、婦人科での受診時の注意事項、検査内容について解説してくれました。

【PROFILE】

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ダイアナさん(51歳)

更年期をテーマにした記事を多く手掛け、さまざまな女性の悩みにも耳を傾けてきた医療ジャーナリスト。趣味はジャズ鑑賞、乗馬。安らぎのひと時は、なじみのカフェでお茶をすること。

閉経後の出血は思わぬ病気のサイン!?

休日に高校の同級生・ムツミさんと久しぶりのランチを楽しんでいたダイアナさん。食事を終え、お会計の準備をしていると、トイレに立っていたムツミさんが慌てた様子で戻ってきました。

ダイアナさん 「ムツミさん、そんなに慌ててどうしたの?」

ムツミさん 「ダイアナさん、悪いんだけどもう少しお店で待っていてくれない?ナプキンを買いに行きたいの」

ダイアナさん 「構わないけど、ムツミさん、1年くらい前に閉経したみたいって言ってなかった?」

ムツミさん 「そうなんだけど、ごくたまに出血することがあって...。すぐに終わるから気にしてないものの、急にあるから困っちゃうわ」

ダイアナさん 「閉経後の不正出血には、思わぬ病気が隠れていることもあるから油断は禁物よ。買い物から帰ってきたら、詳しく説明するわね」

閉経後の出血は「生理」といっていいの?

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日本人の平均閉経時期は50歳前後といわれているわ。

けれども、閉経したからといって、即座にまったく出血がなくなるというわけではないの。特に、閉経からそれほど時間が経っていない時期は、卵巣の働きが完全になくなってはいないため、時々出血が見られることがあるわ。

ただし、閉経後の出血は「生理」ではなく、「不正出血」として扱われるの。珍しい症状ではないけれど、不正出血にはさまざまな原因が考えられるので、まずは婦人科を受診することが大切よ。

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閉経後に、卵巣の働き以外で出血が起こる原因とは?

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閉経後の不正出血には、卵巣の働きが残っていた場合以外にも、次のような疾患によって出血が起こるケースも考えられるの。いずれも、早めの受診をおすすめするわ。



・萎縮性腟炎(老人性腟炎)
閉経後に、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が減少すると、腟の粘膜が萎縮し、潤いも減ってくるもの。そのため、腟の自浄作用が弱まって細菌に感染し、炎症(腟炎)を起こした結果、出血することがあるわ。

・萎縮性外陰炎(老人性外陰炎)
萎縮性腟炎でも、外陰部や会陰周辺の皮膚に症状が現れる場合は萎縮性外陰炎と呼ばれるの。ほとんどの場合は、外陰炎単独で症状が見られることはなく、腟炎が病気の本体であることが多いのよ。

・そのほかの可能性
萎縮性腟炎のほかには、子宮筋腫、子宮体がんなどで不正出血が起きている可能性もゼロではないの。たとえ少ない出血量だとしても、できるだけ早く医師の診察を受けることをおすすめするわ。

また、肥満の場合、脂肪から分泌されたエストロゲンによって、子宮内膜が厚くなってはがれ落ちるという、生理と似た症状になる場合がまれにあるのよ。

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病院ではどんな検査が行われる?

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不正出血で婦人科を受診した場合、まずは病気が隠れていないかどうかを確認するため、腹部の触診や内診を行います。そして、経腟超音波(エコー)検査で子宮や卵巣の状態を診ていく、というのが基本ね。場合によっては、ホルモンの数値を測るための血液検査や、異常細胞がないか調べるため子宮頸部もしくは内膜の細胞診などが行われることもあるわ。


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子宮の病気以外にも、細菌感染が不正出血を引き起こしていることもあるの。その可能性が考えられる場合は、おりものを採取して細菌の培養検査が行われるわ。

さて、検査の結果、明らかな異常や腫瘍がないようなら、経過観察となるのが一般的。でも、それ以降も不正出血を繰り返す場合は、疾患の段階が初期のために発見されなかったケースも考えられるので、少し時間を置いてから再受診するようにしましょうね。

受診は、出血中にしたほうがいいの?

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不正出血で受診をする場合、原因を特定しやすくするためにも、できるだけ出血があるあいだに病院に行くのがおすすめ。ただし、感染症の検査や子宮頸部および子宮内膜の細胞診は、出血中に行うことができないので、出血が止まった後に再び病院へ行き、検査を受けることになるわ。

それから、スムーズに診察を受けるためにも、事前に次のような項目をメモしておくといいわよ。

<不正出血の検査前に記録しておきたい内容>
・最終月経の時期(閉経と判断して何年くらい経つか)
・出血が始まった時期や頻度
・出血の状態(量や色など)
・家族の既往症(がんなど)
・痛みがあるかなど、気になる点や医師に伝えておきたい症状

医師は、患者さんの顔色や爪の状態から症状を診ることもあるのよ。そのため、メイクはできるだけ控えめにして、ネイルなども塗らずに受診するようにしましょうね

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また、検査に備えて、事前にシャワーを浴びたり、ビデで洗浄しておいたりするべきか悩む人も多いはず。不正出血の診察では、腟内に異常がないかどうかを調べる必要があるため、洗浄しすぎると正しい検査結果が得られなくなってしまうことも考えられるの。洗浄するときは外陰部にとどめて、腟内までは洗わないようにするのが良いでしょう。

自己判断はNG!出血があったらすぐに受診を

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閉経後の出血は珍しいことではないものの、「生理の名残かも...」などと、自己判断して放置してしまうのは禁物よ。不正出血の原因はさまざまで、中には予測しなかった病気が隠れている場合もあるわ。

不正出血をはじめ、閉経後に何か違和感を覚えたら、必ず医師に相談するようにしましょうね!


【閉経後の出血について相談できるクリニック】

浜松町ハマサイトクリニック>(東京・浜松町)

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女性の身体と気持ちへの寄り添いをモットーに、気軽に受診いただけるクリニックを目指し、婦人科・内科をはじめとした外来診療や健診・人間ドックを提供。生理痛、不正出血、子宮筋腫、子宮内膜症などの治療やピルの処方だけでなく、疲れや倦怠感、イライラなど更年期障害の治療も得意としたクリニックです。


東京ミッドタウンクリニック>(東京・六本木)

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病気の早期発見・予防のため、きめ細やかなテーラーメイドの健診を提供しているクリニック。外来診療では風邪などの疾患から専門的な診療まで幅広く対応。婦人科では、生理不順、不正出血、おりものの変化、子宮がん・卵巣がん・性感染症など、婦人科疾患全般について相談が可能です。


セラヴィ新橋クリニック>(東京・新橋)

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快適性を重視し「男女別フロア」を採用している健診施設。乳がん検診や子宮がん検診など女性ならではの検査が充実。特に子宮頸がん検査においては、精度の高い「液状検体細胞診」を導入するなど、女性に優しい環境が特徴。また内科・糖尿病外来や禁煙外来、乳腺外来など、専門医による一般外来の診察も受診可能です。


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