更年期以降は骨密度が重要!骨を強くするために必要なこと【食事編】

更年期以降の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴って、骨量や骨密度が減っていく傾向があります。それによって、高齢になってから骨粗しょう症のリスクが高まるほか、骨の衰えは見た目年齢にも影響するといわれています。
骨のケアは骨粗しょう症になってからでは遅く、早めの対策が重要。食生活や生活習慣の改善を通じて、骨量・骨密度の減少を最小限に抑えることを意識したいものです。

そこで、ILACY(アイラシイ)では、40代から始める「骨を強くする生活」について、食事と運動の面から深掘り。前編の「食事編」では、骨を強くするために食事面で意識したいことを、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアのメノポーズカウンセラー・三浦知代がご紹介します。

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骨を丈夫にするためには、食生活や運動を意識することが重要

――更年期以降は、骨量や骨密度を意識する必要があるといわれていますね。

女性は閉経を迎えると骨密度が急激に低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。骨密度や骨の量、骨の強度が低下する要因は、ストレスや喫煙、乱れた食生活、運動不足などさまざまですが、女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏もそのひとつと考えられています。

――エストロゲンの減少は、骨にも影響しているんですね。

健康な骨は、古くなった骨を壊して、そこを補うように新しい骨を作っていくという新陳代謝を日々繰り返しています。そのときに、エストロゲンは骨を壊す速度を緩やかにし、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える作用があるんです。

女性ホルモンが減少し始める更年期以降は、新しい骨が作られるよりも骨からカルシウムが溶け出していくほうが速くなるため、骨密度が低下していってしまいます。それが、将来の骨粗しょう症のリスクにもつながっていくので、40代のうちから骨を意識することはとても大切です。

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――骨密度を低下させないためには、どのようなことに気を付ければいいですか?

まずは、骨の中にしっかりカルシウムを蓄えて、骨を丈夫にしておくために、食生活をそれまで以上に意識することが大切です。それだけでなく、適度な運動や睡眠、ストレスを溜めないことなども重要になりますね。

健康な骨を作る食事とは?

――骨を健康に保つ習慣の中でも、今回は食事について伺います。まず、骨密度を低下させないために摂取したい栄養素には、どういったものがあるのでしょうか?

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」(2015年版)では、骨にいい栄養素であるカルシウム、ビタミンD、ビタミンKの、1日あたりの摂取量の目安について定めています。

骨を強くする栄養素と1日あたりの摂取量の目安

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それぞれの栄養素が豊富に含まれている食材についてご紹介しましょう。


カルシウム

カルシウムを摂取するには、吸収率といった点でも牛乳やヨーグルトなどの乳製品がおすすめです。

牛乳ならコップ1杯(200ml)で約200mg、ヨーグルトなら100gで約100mgのカルシウムをとることができます。

このほか、しらすや干しえび、ごま、切り干し大根、ひじき、高野豆腐といった食材も、カルシウムが豊富なものとして知られています。

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ビタミンD

ビタミンDは腸管からカルシウムの吸収・促進をする、骨の健康には不可欠な栄養素です。カルシウムばかり注目されますが、近年ではビタミンDが不足しているといわれています。よって、こちらも意識して摂取していきましょう。

ビタミンDは、魚類やきのこ類に多く含まれています。魚類の中でも、特に鮭はスーパーなどでもよく見かける魚ですし、手軽に取り入れやすいと思います。

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ビタミンK

ビタミンKは、カルシムを骨に取り込む際に必要な、「オステカカルシン」というたんぱく質を活性化させる働きがあります。ビタミンKは微生物によって合成されるので、発酵食品の納豆には特に多く含まれています

また、海藻類や緑黄色野菜にも多いのでおすすめです。

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――どれも、日常的によく食べられている食材ですね。

そうなんです。身近な食材だからこそ、どの食材にどんな栄養素が多く含まれているかを覚えていただきたいですね。

例えば、普段の食事にカルシウムが足りていないから朝はヨーグルトを食べようとか、付け合わせにきのこをプラスしようとか、そういった感じで工夫していくといいと思います。

日本人は特にカルシウムが不足しがちなので、和え物にしらすや干しえびを加えたり、副菜に切り干し大根やひじきをつけたりして、少しずつでもカルシウムを補給することを意識していただきたいですね。

――カルシウムは体内での吸収率があまり高くないと聞きます。ビタミンDやビタミンKも含めて、より効率的に栄養素を摂取できる食べ方や調理法はありますか?

カルシウムはビタミンD、ビタミンKといっしょにとると吸収率がアップするので、今回ご紹介した食材を組み合わせて献立を考えていただくのもいいと思います。

一方、ビタミンDとビタミンKは脂溶性の栄養素で、油との相性がとてもいいんです。そのため、油で焼いたり、炒めたりするとより吸収されやすくなります。そこに、カルシウムを含む食材を合わせるというのが理想ですね。

――食事の仕方で注意したほうがいいことはありますか?

基本は1日3食、バランスのとれた食事を心掛けてほしいと思います。

朝は忙しくて、朝食を抜く方も多いと思いますが、朝食を食べることは骨を健康に保つ意味でもすごく重要です。

というのも、朝起きてから夜寝るまでのあいだは体を動かしていますよね。骨の成長には骨に刺激を与えることが大切で、例えば通勤のために駅まで歩いたり、家事をしたり...といった動きも刺激に含まれます。そこで、朝しっかりカルシウムをとってから体を動かしたほうが、骨の健康のためには効率的です。

40代からでも骨は強くなる!運動と合わせて食事に注目しよう

――反対に、骨にダメージを与えてしまう栄養素はあるのでしょうか?

食事で気を付けてほしいのは、塩分と、加工品に多く含まれているリンのとりすぎ。これらは、骨からのカルシウムの流出を促してしまう成分です。

更年期世代の女性はコレステロール値が増加したり、血圧が上昇しやすくなったりするので、その観点からも減塩は心掛けていただきたいですね。

――やはり、骨にとって日々の食事は大切なんですね。ちなみに、40代からでも骨を強くすることは可能なのでしょうか。

最初にお伝えしたとおり、骨は新陳代謝を繰り返しています。一度、骨粗しょう症になってしまった骨はなかなか元には戻りませんが、そうでない場合は毎日の食事や運動を意識することで、骨量や骨密度を高めることが可能です。

――骨密度検査は、健康診断の項目に含めることもできますよね。

そうですね、骨密度は健康診断でチェックすることができます。40代を迎えたら定期的に測るようにして、今の自分の骨密度がどれくらいかを知っておくことも大切ですよ。

40代のうちから自分の骨の状態を知り、骨にいい食事をすることが大切ですが、それだけでは十分とはいえません。良質な睡眠をとり、過度のアルコール摂取や喫煙、ストレスなど、骨にダメージを与える習慣を改善していくようにしてください。

そして、必ず取り入れてもらいたいのが、運動です。食事と運動をセットで行うことで、初めて健康な骨が作られますので、後編の「運動編」もチェックしてくださいね。

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後編では、更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんに、骨を強くするためのエクササイズを紹介していただきます!
更年期以降は骨密度が重要!骨を強くするために必要なこと【運動編】




SUPERVISERこの記事を監修した人

三浦先生

PROFILE

三浦知代 (みうら ちよ)

管理栄養士/メノポーズカウンセラー

産婦人科病院の栄養課で、病院給食業務を経て、入院する前の食生活や、栄養摂取の必要性に興味を持ち、サプリメントの企画・販促に携わる道へ。

現在は(株)アドバンスト・メディカル・ケアに在籍し、エクオールサプリメントの販促担当として、日々、更年期症状に悩む女性へ向けて情報発信を行っている。


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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