「ツボ押し」も効果的!応急処置に◎な自律神経を整える方法
これまでになかったような心身の不調が現れはじめる更年期。更年期症状は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少によって自律神経のバランスが崩れることが原因です。
自律神経が乱れがちになるのは世代的に仕方がないといえますが、普段の生活の中で整えることはできるといいます。
その方法のひとつである「呼吸法」を更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんに教えていただいた前回に続き、ここではわざわざ時間をとらなくてもすぐに取り入れられる「ツボ押し」について伺います。
<自律神経を整える方法に関する記事>
「呼吸法」で自律神経を整える!更年期の不調を解消する方法
自律神経を整える6つのツボ
自律神経の乱れは、ツボを押して調整することもできるといいます。今回は、自律神経に働きかける6つのツボを紹介。いずれのツボも、痛気持ちいいと感じるくらいの強さで、「5秒押して、5秒離す」を1セットに、5セット程度行うといいでしょう。
・労宮(ろうきゅう)
手のひらの真ん中、くぼんだところ(こぶしを握ったときの中指と薬指のあいだあたり)にある労宮は、副交感神経を優位にするツボ。
ストレスを緩和させるツボともいわれ、過度な緊張によるイライラや不眠があるときに押すのがおすすめです。
・神門(しんもん)
神門は、小指側の手首(内側)のくぼみ部分にあり、精神的な緊張をほぐし、東洋医学でいう「心」に関わる不調をやわらげるツボ。
リラックスしたいとき押すと◎で、自律神経を整えてスムーズな入眠をサポートしたり、突然の動悸を抑えたりする際によく使われます。
・内関(ないかん)
手首を曲げたときにできるしわから、指3本分離れたところにあるのが内関です。乗り物酔いに効くツボともいわれており、吐き気があるときや気持ちが悪いときに押すと楽になります。
・瘂門(あもん)
首の付け根の真ん中にある、くぼんだ部分が瘂門です。頭痛や不眠などに効くツボで、気持ちを落ち着かせる働きがあります。斜め上を向き、軽く頭を持ち上げるイメージで上に向かって押します。
・天柱(てんちゅう)
天柱は、瘂門の両側、親指1本分外側の髪の生え際にあります。自律神経の乱れから来る頭痛や肩こりのケアにおすすめです。
・風池(ふうち)
風池は、天柱の両側、親指1本分外側の髪の生え際にあるツボで、めまいや目の疲れなどに効きます。
首の付け根周辺の3つのツボは、親指で押すのはもちろん、温かいタオルをあてても効果的です。ぜひ試してみてください。
自分に合ったセルフケアの方法を見つけて
――ツボ押しは、仕事や家事など何か作業をしているときでも取り入れやすいので、応急処置としても知っておくと心強いですね。
そうですね。「すぐにこの不調をなんとかしたい!」というときに押してみるのもいいですし、普段から習慣的に押すことで、心や体の不快な症状の予防・緩和が期待できます。ツボ押しケア、ぜひ、日頃から取り入れてみてくださいね。
更年期は、自分の体の変化だけでなく、仕事や家庭などさまざまな面でストレスを感じやすい年代といえます。それが体の不調として現れることも多い時期ですが、だからこそ呼吸法やツボ押しを試してみて、自分に合ったセルフケアの方法を見つけるチャンスにしてもらえればと思います。
お話を伺ったのは...
永田京子(ながた・きょうこ)さん
兵庫県出身、愛知県小牧市在住。2児の母。東映アカデミーに所属し、役者として舞台やドラマなどで活躍した後、ピラティスや整体、経絡、アロマ、リフレクソロジーなどを学び、ピラティス指導者、産後ケアのインストラクターとしての活動を開始。受講者の声と、更年期障害が悪化して苦しむ母を見ていた経験から、女性ホルモン・更年期の正しい情報と対策を伝えるNPO法人「ちぇぶら」を創設した。「ちぇぶら」は更年期を英語でいう「the change of life」の意。著書に「女40代の体にミラクルが起こる! ちぇぶら体操」(三笠書房)があるほか、先日「はじめまして更年期」(青春出版社)が発売したばかり。
NPO法人ちぇぶらホームページ
YouTube「ちぇぶらチャンネル」
「はじめまして更年期」(青春出版社)
著:永田京子 定価:1,540円