フェムゾーンケア(デリケートゾーンケア)について話すことを当たり前に~「はじめよう!フェムケアプロジェクト!」マネージャーインタビュー~

ここ1~2年で少しずつ耳にするようになってきた「フェムテック/フェムケア」という言葉。「フェムテック」はフィメール(Female)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスと定義されています。「フェムケア」も同様に造語で、女性(Feminime)とケア(Care)がかけ合わされ、女性の身体や健康のケアを意味した新しい言葉です。

メディアを中心に「フェムテック/フェムケア」の言葉が広がる一方で、2023年現在、まだまだ一般的には具体的なイメージがつかめないのが現実です。女性特有の身体の悩みを楽に、ポジティブに変え、より健康を実感するための製品やサービス、ケア方法やアイデアが生まれてきているのに、実際にはなかなか知られていない状況のなか、一つのプロジェクトが立ち上がりました。

est're®(エストール)「はじめよう! フェムケアプロジェクト!」は、東京ミッドタウンクリニックなどの医療施設運営支援や化粧品・サプリメントなどのセルフケアプロダクトの企画開発・販売を行なう株式会社アドバンスト・メディカル・ケアが展開するフェムケアブランドest're®(エストール)が、女性ホルモンマネジメント®※1やフェムゾーンケア(デリケートゾーンケア)※2普及のために2023年11月に立ち上げたプロジェクトです。

プロジェクト立ち上げの背景、活動内容、目指す姿はどのようなものでしょうか? プロジェクトマネージャーの三浦知代さんに話を聞きました。

正しいフェムゾーンケアの方法を知っている人はわずか8%

est're®(エストール)「はじめよう!フェムケアプロジェクト!」は、女性ホルモンマネジメント®※1やフェムゾーンケア(デリケートゾーンケア)※2普及を目指し活動されるとうかがいました。フェムケアブランドest're®(エストール)の販売活動もあるなかで、どのような経緯でフェムケア普及プロジェクトを立ち上げたのでしょうか?

三浦 est're®(エストール)は婦人科学発想の「正しいセルフケア※3」ブランドとして2021年10月に誕生し、現在フェムゾーンケア4アイテムを中心に展開しています。日々の販売活動やお客様とのコミュニケーション、また、フェムケアイベントや展示会などへの参加を重ねつつも、なかなかフェムゾーンケアに対する知識が広がっていないことを感じていました。ILACYが女性1,000人を対象にしたアンケート調査でも、フェムゾーンケアの適切な方法について詳しく知っている人が全体の僅か8%、つまり92%は知らないと自覚されていることもわかり、私たちブランドの運営者が想像していた以上に浸透していないことを痛感しています。

通常のブランド活動だけではフェムゾーンケアなどのフェムケア認知が低い状況が打開できないと考え、もう一歩進んだ普及活動をするために、est're®(エストール)「はじめよう! フェムケアプロジェクト!」を立ち上げました。

※1 est're®(エストール)が提唱する「女性のライフステージにおける女性ホルモンのゆらぎ」に、食・生活・美容面で、自ら対応する"セルフケアメソッド"。「GSM ケア」「メノポーズケア(閉経ケア)」「エイジングケア」の 3 つの柱で、それぞれに対応するソリューションを提供しています。(GSM とは、Genitourinary Syndrome of Menopause の略称で、日本語では「閉経関連尿路生殖器症候群」と訳されます)
※2 フェムゾーンは女性の外陰部周りのこと。フェムゾーン専用のケア商品で、正しく洗い、保湿することを、est're®(エストール)では「フェムゾーンケア」と定義しています。
※3 年齢に応じた栄養補給や化粧品によるケア

ブランド活動より一歩進んだ普及活動とは、どのような内容ですか?

三浦 ブランドの動きは販売活動が軸になり、世の中とのコミュニケーションも販促的なメッセージが中心になります。est're®(エストール)のフェムゾーンケア商品を手に取っていただき、使っていただくことで女性に貢献できると私たちは確信しているので、販売活動は引き続き注力していきたいと思っています。一方で、正しいセルフケアの知識普及のためには販売活動だけでは限界があるため、フェムケア知識の伝達にフォーカスし、講演やセミナー活動をしていくことにしました。

具体的には、希望される企業や団体、医療関連施設、教育機関などに婦人科医師や専門家を派遣し、講演会/セミナーを開催します。これまでもイベント・展示会への参加や、若い世代に向けた講演会などを実施してきましたが、正しい知識の普及活動を当プロジェクトに集約することで、より伝わりやすくしていくことがねらいです。リアル開催でもオンラインでも、状況に応じて積極的に動いていきます。

est're®(エストール)「はじめよう! フェムケアプロジェクト」

特にどのような人にこのプロジェクトを知ってほしいですか?

三浦 まずは女性、ということに尽きるのですが、ここのところ健康経営というキーワードをよく聞くようになり、企業で働く女性に対しては健康診断で女性向けのオプション検査に補助金が出るケースがありますし、情報としても生活習慣病対策や簡単にできる運動、食事に関するものなどは充実してきていると思います。そういった健康促進活動のなかで、フェムケアという新しい分野をお伝えできる企業が増えていったらいいなと思います。

また、たとえば助産師さんやヨガのインストラクターの方など、女性に接する機会の多い方にもぜひ聞いていただきたいですね。

ジェンダード・イノベーション2022参加の様子

低い日本のフェムゾーンケア認知度

海外と比較した場合でも、日本のフェムゾーンケア認知は低いと思われますか?

三浦 海外、特に欧米においては、以前からフェムゾーンケアにまつわる商品がドラッグストアにあたりまえに置かれていますし、ケア方法をお母さんから娘に教えることがごくごく普通になっています。

2020年がフェムテック元年といわれ、その時期に商品を出したブランドは今年で3周年になります。当初はファッション的な要素で出されたアイテムもあるのではないかと思います。「どれを選んでいいのかわからない、信頼できる商品を探したい」という声もあります。かといってドラッグストアに種類が豊富に並んでいるわけでもなく、何を選んでよいか、どこで買えばいいかわからないのが日本の現状なのかなと思います。

日本でのフェムゾーンケアの認知について、地域差はありますか? 都市部では認知が進んでいるなどの傾向はあるのでしょうか。

三浦 まだまだ、全国的に認知が広がっていないと思います。知っている人は知っていても、知らない人はまったく知らない、そしてまったく知らない人の数がどの地域でも多い印象です。

認知が広がれば、ケア用のアイテムが欲しくなると思います。そういう人が増えれば、ニーズの高まりにより、日本でも欧米のようにドラッグストアなどの量販店でもフェムゾーンケア商品がもっと並ぶようになると思います。

気軽にフェムゾーンケアについて話せる女性を増やしたい

このプロジェクトを進めて、どのような状況をつくりたいですか?

三浦 女性たちの日常会話のなかで、もっとフェムゾーンケアに関する話題が気軽に出てくるような世の中になってほしいです。

たとえば化粧品であれば、「最近こういう化粧品流行っているよね」「あぁ、私ももう使ってるよ」「すごくいいよね。肌がつるつるになるし」という感じの会話が、女性同士はけっこう多いと思います。そういったトピックのなかに、フェムゾーンケアのアイテムも入ってくれば嬉しいです。

まずは自分の身体に興味をもつこと、何か問題や悩みがあれば、日常のケアだけでなく、病院に検査に行くことも大切になります。そのためには、お友達同士もそうですし、家族と話したり、専門家にも相談に行ったりが気軽にできる世の中になってほしいですね。誰かに話して、共感してもらえる、一人じゃないと思える、みんな同じ悩みを抱えているとわかる、解決方法があるとわかれば、一人で思い詰めて抱え込まなくてすみます。その第一歩が、フェムゾーンの話題を人と気軽に話せる状況をつくることです。

先ほどの欧米との比較と同じで、まだまだフェムゾーンの話題はタブー意識が強いと思います。場所を選びますし、人も選びますよね。「こんなこと話したら変に思われないかな」と相手の顔色をうかがってしまう。私たちのプロジェクトによって正しく理解する人が増えれば、恥ずかしいことでも何でもない、大切な身体のことだと思える人が増えることになるので、気軽にフェムゾーンについて話ができるようになるはずです。

プロジェクトの一環として、クラウドファウンディングも開始されました。こちらはどのような内容でしょうか?

三浦 私たちのプロジェクトの講演やセミナーなどの活動資金をご支援いただきたく、クラウドファウンディングも始めました。セミナーの運営費用やスタッフ募集など「フェムゾーンケアの正しい情報を社会に発信するための費用」として利用させていただきたいと考えています。

具体的な支援金使途は、
1. 普及啓発活動・イベント実施(全国各地での説明会や展示会への出展)
2. 各団体・関係機関への商品提供(フェムゾーンケアアイテム、冊子など)
3. 普及活動スタッフ派遣または、普及素材・ツールの提供
になります。

クラウドファウンディングはCAMPFIREをプラットフォームに実施しています。リターン品は、est're®(エストール)のラインナップから善玉菌<ラクトバチルス乳酸菌配合>が配合されたジェルを直接腟内に注入するアイテム「インナージェル<ラクトバチルス乳酸菌配合>」をお届けします。また、10,000円をご支援いただいた方には特典としまして、《フェムゾーンケアに関する特別セミナー参加・受講権※4》をお付けしています。対象者の方には、後日ご案内メールをお送りいたします。

私たちのプロジェクトに共感していただき、フェムゾーンケアのアイテムも実際に試してみたい方は、ぜひご支援をいただきたいと思います。

※4 Webセミナーの開催日は、後日メールにてご案内をお送りします。日程は2024年2月以降を予定しています。

est're®(エストール)「はじめよう! フェムケアプロジェクト!」
クラウドファウンディング申し込み

最後に、あらためてメッセージをお願いします。

三浦 ILACYをご覧になっていらっしゃる方は、自分の健康を大切にして、よりポジティブに、自分の身体がよりよくなるめの何かを実践している方が多いのではと感じています。すでにフェムゾーンケアを始めていらっしゃる方も多いかもしれません。

情報感度の高い皆さまのためにも、ご家族やお友達など、周りの方と気軽に話せる状況をつくっていきたいと思います。また、皆さまご自身も発信塔になっていただき、より女性が生き生きと過ごせる世の中が近づけば本当に嬉しいと思います。

profile
間瀬 有里(ませ ゆり)医師

三浦 知代(みうら ちよ)
管理栄養士/メノポーズカウンセラー

管理栄養士歴20年以上。病院給食業務の経験を経て、入院する前の食生活や栄養摂取の必要性に興味を持ち、サプリメントの企画販促に携わる道へ。
現在は、㈱アドバンスト・メディカル・ケアに所属し、est're<エストール>担当として、女性ホルモンマネジメント®の普及活動を行っている。
est're<エストール>「はじめよう!フェムケアプロジェクト!」マネージャー

est're <エストール> Instagram:
https://www.instagram.com/estre.official

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
フェムケア
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この記事は、働く女性の医療メディア
ILACY(アイラシイ)の提供です。

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