夏場のフェムゾーンが気になる方へ。対策方法を解説

女性であれば、誰しも"フェムゾーンのトラブル"について悩んだことがあるのではないでしょうか?
特にムシムシと暑い高湿度の日本の夏は、デリケートな部位であるフェムゾーンも汗ばみムレやすくなるため、トラブルが起こりがちです。

そこで本記事では、高温多湿の日本の夏を快適に乗り切るために実践したいフェムケアを解説します。

フェムケアとは

フェムケアとは、女性の心と体の健康をサポートする製品やサービス、あるいはケアそのもののことを指します。"女性らしさ"という意味の「Feminine(フェミニン)」と"お手入れ・お世話"を意味する「Care(ケア)」を掛け合わせて生まれました。

近年のフェムケアは、女性の社会進出とともに広がりをみせており、「女性が働きやすい社会を整える」「女性の生活の質(QOL)を上げる」といった広義の意味でも用いられています。月経や妊娠、出産、更年期などからくる、女性特有の不調を軽減するためのさまざまな工夫もフェムケアの一環です。

今回は、そのなかでもフェムゾーンのケアに焦点を当てて解説していきます。


日本におけるフェムケアの現状

フェムケアという言葉に馴染みがない方もいらっしゃるかもしれません。実際に日本での認知度は海外に比べるとまだまだ低いですが、徐々に浸透しつつもあります。それはフェムケアの市場の動向をみても明らかです。

株式会社矢野経済研究所が2021年に実施したフェムケアとフェムテックに関する調査によれば、市場規模は2020年時点の597億800万円ですが、現在では700億円を超えるとされています。

さらに、アドバンスト・メディカル・ケアが行った調査では、「フェムテックを知らない/分からない」と答えた人は2021年9月の調査で約87%だったものが、2022年3月には78%と、9ポイント減少しています。

参照元:矢野経済研究所、フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する調査結果を発表(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP644239_X11C22A1000000/
参照元:フェムテック サーベイ Vol.3(アドバンスト・メディカル・ケア)
https://www.amcare.co.jp/news/uploads/pr_femtech-survey_newsletter_vol03.pdf

夏とフェムゾーンの関係

高温多湿の日本の夏は、発汗しやすい環境であるがゆえに、体のいたるところでトラブルが起きやすくなります。繊細なフェムゾーンも例外ではありません。

ここからは、夏に起こりがちなフェムゾーン特有のトラブルを解説します。


ムレやすくなる

そもそもフェムゾーンは下着やボトムに包まれているので、ムレやすい部位であることに違いはありません。くわえて湿度が高い日本の夏の環境下では全身が発汗しやすく、通気性も悪くなるので余計にムレやすくなります。

さらにフェムゾーンの皮膚は、まぶたよりも薄くデリケートなためトラブルも起こりやすい部位です。普段から汗や尿、経血などによってムレやすいうえに、日本の夏の気候も相まって、トラブルが引き起こされやすい環境にさらされているのです。


ニオイが気になる

このムレによって発生してしまうのが不快な「ニオイ」です。フェムゾーンには、タンパク質や脂肪酸といったニオイのもとが含まれる汗を排出するアポクリン腺があります。夏場は普段よりムレやすくなることで、ニオイがきつくなってしまうのです。
また、細菌は排出されて時間の経った経血を好むため、独特のニオイが発生しやすくなります。

フェムゾーンのムレやニオイへの対策方法

フェムゾーンのムレやニオイを防ぐために大切なのは、常に"清潔な状態"を保つことです。
以下に、日々の生活で意識したいフェムケアをご紹介します。


①フェムゾーン用のソープでケアする

デリケートなフェムゾーンは、フェムゾーン用としてpH値が調整されたソープでお手入れしてあげましょう。フェムゾーンはおりものや尿や便などで汚れやすいため、汗をかいてムレやすい季節は特に清潔にしたいですよね。

薄い皮膚と粘膜が混在しているフェムゾーンは、外部の細菌から膣内を守るためにpH値が3.8~4.5と弱酸性に保たれています。それゆえに、洗浄力の高いボディソープでゴシゴシ洗うと刺激が強すぎてしまい、皮膚を守っている常在菌まで洗い流してしまうのです。フェムゾーンの環境が乱れれば、清潔に保とうとしたはずが、逆にトラブルを引き起こすこととなります。

フェムゾーン用のソープであれば、やさしい使い心地で気持ち良く使用できます。


②通気性の良い下着を着用する

フェムゾーンに関するトラブルを予防するには、下着選びも大切です。

ムレやニオイが気になるなら、綿100%やシルクなど、天然素材で通気性の良いショーツを身につけるのがおすすめ。形も重要で、通気性を求めるのであれば締め付けの少ないショーツを選ぶのがベターです。特に、股ぐりが大きいゆったりしたタイプのショーツであれば、夏でもムレにくく過ごせることが期待できます。

また、服装もショーツに合わせてゆったりした通気性のよいものを選べば、よりムレの対策になります。


③吸水ショーツを使用する

月経時やおりものが気になるときは、吸水ショーツを取り入れてみるのはいかがでしょうか?

吸水ショーツとは、股の部分に吸水シートが施されていて、経血やおりものを吸収してくれるサニタリーショーツのことです。その吸収性の高さから、ナプキンやおりものシートを使用せずともショーツ一枚で快適に過ごすことができます。特に月経時のナプキンのムレが気になる方にはぴったりです。

また、防臭や抗菌加工が施されているので、ニオイもケアできるのがうれしいポイントです。

※吸水量は吸水ショーツによって違いますので、表示をご確認ください

フェムケアを始めるうえで大切なこと

フェムケアを始めるうえで大切なのは、フェムケアを「特別なもの」と思いすぎないことです。フェムケアは、女性が毎日を快適に過ごすためにあります。「こうしなければならない」という決まりはないので、気負わずに取り入れることが大切です。

ご自身のなかにある女性特有の悩みや不快感に気づいて、それを解消していくためにどうすればよいかを、自分をいたわる過程で考えてみるのもおすすめです。

自身が快適だと感じるフェムケアを実践し、日本の夏を乗り越えよう

今回の記事では、夏を快適に過ごすためのフェムケアを、夏特有のフェムゾーンのお悩みに焦点を当てて解説しました。

汗や経血などでムレやすいフェムゾーンは、夏場にトラブルが起きやすくなります。対策方法は、フェムゾーン用に調整されたソープを取り入れてやさしく洗浄し、清潔な状態を保つことです。
さらに、通気性や吸湿性のあるゆったりした下着を身に着ければ、締め付けによるムレや、雑菌によるニオイを防ぐことにも効果的です。

フェムケアは、「こうでなければいけない!」という決まりはありません。
ご自身が、快適に過ごすためにできることを、小さなことから実践していきましょう。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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この記事は、働く女性の医療メディア
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