フェムゾーンのケアどうしてる?プロに聞くおすすめのケア方法

年齢を重ねるにつれて、かゆみやにおいといった悩みが増える一方で、人にはなかなか相談しにくいフェムゾーン。女性にとって重要な役割を担うパーツにもかかわらず、自分のフェムゾーンを見たことがない人も多いと思います。
そんな女性たちに対して「もっと自分のフェムゾーンのことを知ってほしい」と話すのは、日本初のフェムゾーン専門美容サロンであるピュビケアサロン白金店を運営する株式会社アーマミの得田由美子さん。得田さんは、婦人科系疾患や予防性教育などの問題に取り組む、ピュビケアジャーナリストとしても活躍中です。

ILACYでは、女性がフェムゾーンと上手につき合うための知識を前後編の2回にわたってお届けします。前編となる今回は、フェムゾーンの基礎知識とフェムゾーンに対する意識の変化について、得田さんにお伺いしました。

鏡で見たことある?意外と知らないフェムゾーンのしくみ

――フェムゾーンは自分の体の一部なのに、あまり注目してはいけない場所というイメージがあります。

そうですよね。自分のフェムゾーンを見たことがない人も多いと思います。

――鏡で自分のフェムゾーンを見ても、どこをチェックすればいいか、正直よくわからなくて...。まずはフェムゾーンの基本的なしくみを教えてください。

フェムゾーンには、小陰唇と大陰唇、腟口、尿道のほか、近くには肛門もあります。経血やおりもの、尿、便などを排泄する場所なので、汚れやすいというのが特徴のひとつです。また、皮脂が分泌されたり、汗をかいたりする場所でもあります。

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――皮脂や汗も出るんですか!?

フェムゾーンにはアポクリン腺があるんです。アポクリン腺は、脇の下にも多く存在していて、いわゆるフェロモンと呼ばれる固有のにおいを発します。

そういった皮脂や汗、排泄物がアンダーヘアに付着し、それが下着などに覆われて蒸れていくと、どうしてもにおいがきつくなってしまいます。ですから、体の中でも一番清潔にしなくてはいけない部位なんです。

――今、ご説明いただいた構造以外にも、フェムゾーンには特徴がありますか?

フェムゾーンの皮膚は、まぶたよりも薄くて乾燥しやすいといわれています。アンダーヘアがあって蒸れているから、乾燥とは無縁と思いがちですが、実は地肌が乾燥してトラブルの原因になっていることが多いんです。

――フェムゾーンは、体のほかのパーツと違い、人と比べることがありませんよね。正しい形状というのはあるのでしょうか?

サロンのお客様の中には、パートナーの発言によって、ご自身のフェムゾーンの形に悩まれる方もいらっしゃいます。でも、フェムゾーンの形状に正解はありません。小陰唇と大陰唇のひだの深さも個人差がありますし、小陰唇の長さや左右の大きさも人それぞれです。

例えば、小陰唇が長すぎて座ったときに踏んでしまって痛いなど、日常生活に支障をきたすようであれば、一度医療機関に相談しましょう。そういった悩みがなければ、気にしなくて大丈夫です。

――100人いたら100通りの形があるということですね。

そうです。どうしても気になる方は、私たちのようなサロンでプロに聞いてみるのもいいと思います。

「私のため」のフェムゾーンケア

――ピュビケアサロン白金店は、日本で初めてのフェムゾーン専門美容サロンとお聞きしました。サロンをオープンする前、得田さんはフェムゾーンについてどう考えていたのでしょうか?

周りから話は聞くものの、まったく意識していませんでした。自分のフェムゾーンもあまり見たことがなかったくらい。でも、アンダーヘアを処理したら、急に自分のフェムゾーンが身近になったんですよ。肌や経血、おりものの状態も把握しやすくなりました。

――アンダーヘアを処理するようになって、変化したことはありましたか?

経血の色や量を気にするようになり、生理痛がなくなりましたね。食生活が乱れると、経血の色がくすみがちになるんです。そうやってコンディションを気にかけることで、少しずつ生活習慣が変わっていき、生理痛がなくなったのだと思います。

意外と知られていないと思うんですけど、経血はアンダーヘアに絡まるんですね。そうすると、本当の経血量がわからなくなりますし、アンダーヘアについて固まった血が、皮膚を傷つけてしまうこともあります。アンダーヘアを処理することで、そういったトラブルがなくなり、生理期間を穏やかに過ごせるようになりました。

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――サロンをオープンされた12年前は、まだまだフェムゾーンケアに対する理解が少なかったのでは?

フェムゾーンケアに対する偏見もありましたし、そもそもこういったケアがあることをご存じないという方もたくさんいらっしゃいました。今は積極的にご自身のフェムゾーンケアのことを考えて来店される方が多いですし、中には「男性にすすめられたから」とおっしゃる方もいます。お客様の年齢層も、10代から60代まで本当に幅広いです。

――それだけ、フェムゾーンに対する意識が変わってきたということですね。

そうですね。フェムゾーンのケアって、男性のためにするものと思われている方も多いと思うんですけど、実際に施術された方は皆さん口をそろえて、「男性のためじゃない、私のためにケアする」とおっしゃってくださいます。

――フェムゾーンを考えることは、「自分の体を愛すること」ともいえますね。

そのとおりだと思います。フェムゾーンの悩みは、年齢とともに変化していきます。私たちのサロンでも、見た目だけではなく、婦人科系の病気や更年期ケアなど、女性が抱えるさまざまなお悩みを解消できるメニューや施術を充実させたいと考えています。


お話を伺ったのは...

ユミコさん-min.jpg

得田由美子(とくだ・ゆみこ)さん

ピュビケアサロン白金台オーナー。

2008年に日本で初めてのフェムゾーン専門お手入れサロンを設立。オーガニックにこだわったフェムゾーン用スキンケアブランド「ピュビケア オーガニック」のプロデュースも行っている。婦人科系疾患や予防性教育などの問題にも取り組む、ピュビケアジャーナリストとしても活躍中。
ピュビケアサロン白金台 ーアンダーヘア専門ブラジリアンワックス脱毛サロン


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
フェムケア
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この記事は、働く女性の医療メディア
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