更年期の方におすすめのフェムテック・フェムケアアイテム7選

女性が自分らしく生きるための手助けとして、女性特有の悩みを解決に導く"フェムテック"を開発する企業が増えつつあります。しかし、アドバンスト・メディカル・ケアの調査では、30~50代の女性のうち7割以上もの方が、フェムテックを知らないということがわかりました。

そこで本記事では、フェムテックの概要とともに、更年期の方におすすめのアイテムを紹介いたします。更年期の方や、これから更年期を迎えられる方の参考となれば幸いです。

アドバンスト・メディカル・ケア フェムテック サーベイ Vol.3より

更年期障害とは

加齢とともに、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下し、体調やメンタルヘルスの面でさまざまな不調が出る症状を"更年期症状"といい、普段の生活に影響がおよび、治療が必要な状態を"更年期障害"といいます。女性のみならず、男性にも同様の症状がみられ、個人差はありますが男女ともに40歳を過ぎた頃から多くの人が経験します。
自律神経失調症によく似た症状が出ることもありますが、経験する症状の具体的な内容や程度などは人によってさまざまです。

女性の更年期障害の場合は、一例として以下の症状が挙げられます。



更年期障害の症状の一例
身体的な症状 精神的な症状
閉経前
  • のぼせ
  • 顔のほてり
  • 脈が速くなる
  • 動悸・息切れ
  • 大量の発汗
  • 血圧の上下
  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • めまい
  • 月経不順 など
  • 興奮状態になる
  • イライラする
  • 不安感
  • 憂うつな気持ちになる
  • 不眠 など
閉経後
  • 膀胱炎
  • 尿失禁
  • 腰痛
  • 膝の痛み・関節の痛み
  • 目やのどの粘膜の異常
  • 外陰部の炎症や乾燥
  • 腟のうるおいの減少 など
  • 無気力感 など


いずれの症状も、女性ホルモンの一種である"エストロゲン"の分泌が閉経前後に減少することで現れます。ホルモン剤や漢方薬の服用で症状の緩和も期待できるため、上記のような症状にお悩みの場合は、一人で抱え込まずにクリニックを受診しましょう。
更年期障害について、より詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

関連記事:更年期障害を疑ったらまずどうすればいい? 体験談も合わせて紹介

参照元:更年期障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

フェムテックとは

フェムテック(FemTech)とは、月経や更年期のライフスタイルに関わる女性特有の悩みを、さまざまな技術の力で解決できる製品やサービスのことです。女性を意味する「Female」と、技術を意味する「Technology」をかけ合わせた造語で、2012年に、ドイツの月経管理アプリ『Clue』開発者のイダ・ティン氏によって生み出されました。

また、似た言葉に"フェムケア(FemCare)"とよばれるものもあります。女性特有の悩みに寄り添う製品やサービスを指している点は共通しており、そのうえでテクノロジーを用いているものがフェムテック、そうでないものがフェムケアに該当します。

たとえば、月経周期を管理するアプリや、スマートフォンと連動して骨盤底筋をトレーニングできる器具はフェムテック。オーガニックコットンの月経用ナプキンや、フェムゾーンのケアアイテムはフェムケア、といったふうに分類できますね。

更年期障害においては、主たる症状の軽減・改善は医師に相談したうえで、ライフスタイルを充実させ、健やかな日々を送るためにフェムテックやフェムケアを試してみましょう。


フェムテックと聞くと、月経カップや布ナプキンなど、月経を対象としたものをイメージされるかもしれません。しかし、フェムテックの対象は月経にとどまらず、産後や更年期の方に寄り添うものも多く出ていますよ。

おすすめフェムテック・フェムケアアイテム

ここからは、更年期の方や、これから更年期を迎えられる方に向けて、2023年のおすすめフェムテック・フェムケアアイテムを紹介いたします。


フェムケアアイテム:デリケートソフトウォッシュ(アドバンスト・メディカル・ケア)

アドバンスト・メディカル・ケアが贈る、フェムケアのシリーズ「est're®(エストール)」の洗浄用ソープ『デリケートソフトウォッシュ』です。

フェムゾーンの善玉菌といわれているラクトバチルス乳酸菌※1を残したうえで、フェムゾーンを清潔に保つことができます。アミノ酸由来の成分によって、刺激は最小限に抑えつつ、気になる汚れをきちんと落としてくれます。

また、洗浄後に同シリーズの『デリケートソフトジェルクリーム』や、ラクトバチルス乳酸菌※1配合の『インナージェル ラクトバチルス乳酸菌配合』の併用もおススメです。

※1 還元発酵乳酸菌®(皮膚コンディショニング成分※2)を配合
※2 乳酸菌培養液、デキストリン、ウメ果実エキス、海水


女性ホルモン(エストロゲン)の減少により外陰部の肌に違和感が出ることがあります。ただでさえデリケートな部位ですから、デリケートゾーン用のソープを使って清潔に保ちたいですね。インナージェルも併用して、心地よいフェムケアを。

サプリメント:からだ元気(アドバンスト・メディカル・ケア)

からだ元気』は、アドバンスト・メディカル・ケアの人気サプリメントです。活力にあふれた毎日を過ごすうえで、不足しがちなアミノ酸を補うことができます。

高級食材である"すっぽん"を、骨、頭、甲羅までまるごと使用しており、必須アミノ酸9種類を含む、全19種類のアミノ酸が配合されています。また、発酵紅高麗人参や牡蠣、マカ、無臭ニンニクといったさまざまな滋養素材が1粒に凝縮されているので、日々の元気をサポートしてくれる成分を効率的に摂ることが可能です。


サプリメント:エクオールN/ラクトビオン酸(アドバンスト・メディカル・ケア)

続いてご紹介するサプリメントは、同じくアドバンスト・メディカル・ケアの『エクオールN/ラクトビオン酸』です。40代以降の女性のゆらぎがちな毎日をサポートしてくれる物質であるエクオールと、そのエクオールの働きをサポートするラクトビオン酸が配合されています。

エクオールは、大豆イソフラボンを摂取した際に変換され生成される、女性の輝きにパワーを与えてくれる働きをもつ成分です。しかし、このエクオールは誰でも体内で作れるわけではなく、腸内環境や体質によっては大豆イソフラボンを摂取してもエクオールを生成できない方もいますし、エクオール産生菌があってもうまく働いていない場合があります。エクオールを作れるか、作れないか、エクオール産生菌が働いているのかが分かる検査キットもありますので、実施医療機関で検査してみるのも良いでしょう。

エクオールを作ることができない方は、エクオールサプリメントを摂取して、体内コンディションを支え、40代以降の心と身体のすこやかさを維持することが大切です。


自分に合うサプリメントが見つかると、気持ちの面でも「お守り」のような役割になり、心が軽くなる方もいらっしゃいますよ。とはいえ、サプリメントとの相性は個人差がありますし、処方薬との飲み合わせもあるので、かかりつけの婦人科医師に摂取しても問題ないか確認しましょう。また、食品と同じように、原材料がご自身と相性が良いかどうかを確認のうえ選ぶことも大切です。

吸水ショーツ:吸水サニタリーショーツ(The LADY.

フェムテックブランド「The LADY.」が開発した吸水ショーツです。何層もの吸水素材や防水素材が重ねられており、ナプキンや吸水ライナー不要で、ショーツ一枚で快適に過ごすことができます。
サニタリーショーツとして販売されている製品ですが、産後や更年期の尿漏れ対策にもお使いいただくことが可能です。

「Light」と「Regular」の2種類があり、いずれもお腹を締め付けすぎないフリーカット仕様です。
なお、月経用として使用される場合は、生理用ナプキンを併用してください。


吸水ショーツ:ウルトラ ヘビー&ナイト ショーツ(Be-A)

フェムテックブランド「Be-A」の吸水ショーツです。量が多いときもしっかりと吸収してくれて、急な尿漏れにも安心です。横漏れや就寝時の後ろ漏れまでカバーします。


笑った拍子に、など、日常生活での突然の尿漏れに戸惑われる方も多くいらっしゃいます。こちらのアイテムを使用すれば、気持ち良く一日を過ごせそうです。

骨盤底筋トレーニングアイテム:ケーゲルベル(fermata)

子宮や尿道をはじめとする臓器を支えている、"骨盤底筋"をトレーニングできる器具です。尿漏れの改善等を目的としております。

先端に重りのついた振り子のような形状になっていて、上部のシリコン部を腟内に挿入して、立ったままの状態をキープしてトレーニングします。重りのパーツは30g・60g・120gの3種類が付属しているため、トレーニング状況に応じて重さを調整することが可能です。


骨盤底筋トレーニングアイテム:Nova Ball(SVAKOM)

腟内に挿入した状態で「ながらトレーニング」が行えるアイテムです。シリコン製の本体の中にボール状の金属製の重りが入っており、挿入したまま体を動かすことで、重りが動いて骨盤底筋を刺激してくれます。

49g・75g・95gの3種類のセットで、まずは49gのものから、それぞれ30日ずつ試すことで、徐々に身体を慣らしてトレーニングすることができます。

本体は医療用シリコン製で、丸洗いが可能なので衛生面にも配慮しています。

日本におけるフェムテックの現状

フェムテックは2012年にドイツで生まれた言葉なので、日本ではまだまだ歴史が浅く、知名度が低いのが現状です。

アドバンスト・メディカル・ケアが2021年9月に、30~50代の一般女性326人を対象に実施した調査では、87%の方が「フェムテックを知らない/分からない」と回答しています。※1 しかし、半年後の2022年3月に実施した調査では、同じ回答をした方は全体の78%と減少しており※2、フェムテックの認知度向上がうかがえます。

特定のキーワードの検索頻度を調べられるサービス『Googleトレンド』でも、「フェムテック」のキーワード検索頻度は上昇しているようです。

日本では未だフェムテックの認知度は低い現状があるものの、今後は認知度の拡大と、それに伴うアイテムの充実も期待できます。フェムテックをはじめとするセルフケアは、女性が毎日を自分らしく、心地よく過ごすために大切です。少しでもお悩みの緩和をサポートするために、取り入れやすいアイテムから試してみるのはいかがでしょうか。

※1アドバンスト・メディカル・ケア フェムテック サーベイ Vol.1より

※2アドバンスト・メディカル・ケア フェムテック サーベイ Vol.3より


更年期にお悩みの方のフェムテック体験談

ここでは、現在更年期のお悩みを抱えていらっしゃる方に、フェムテックについてお伺いした内容を"生の声"としてご紹介いたします。


【50代前半・あゆみさん(仮名)の場合】

Q. 「フェムテック」というものは知っていましたか?

A. いいえ、知りませんでした。

Q. 更年期のお悩みに対して、フェムテックを使ったことはありますか?

A. 吸水ショーツと、紙おむつを使っています。
以前は尿漏れも少量だったので、おりもの用のパンティライナーを使っていたのですが、思いっきり笑ったときに、今までにない量を漏らしてしまって......。自分はポジティブな性格なので、そのときは気に病むことはなかったのですが、「パンティライナーだと、もたないな」と思ったので、ドラッグストアに行きました。

最初は、紙おむつを買うことに抵抗があったのですが、友人が「私は月経が重くて、20代の頃から紙おむつを使っていたよ。別に恥ずかしいことじゃないんじゃない?」とカミングアウトしてくれて、「確かに!」と思ったので、以降は紙おむつを使っていますね。

ただ、紙おむつのパッケージは白髪のおじいさんやおばあさんばかりなので、やっぱり気分的に抵抗がまったくないというと嘘になりますね......。40代ぐらいの、綺麗な女優さんの写真をパッケージに使ってくれたら、抵抗なく買える人がもっと増えるんじゃないかな? と思います!



【40代後半・れいかさん(仮名)の場合】

Q. 「フェムテック」というものは知っていましたか?

A. なんとなく、名前を聞いたことはある、程度ですね。それも「月経に対するもの」だというイメージが強かったので、更年期に対してもフェムテックってあるんだ! と思いました。

Q. 更年期のお悩みに対して、フェムテックを使ったことはありますか?

A. 月経不順になって、あるとき、自宅の作業用チェアのメッシュが染まってしまうほど大量に経血が漏れたことがあったので、次の月経が来る前に横モレしにくい吸水ショーツを買いました。これもフェムテックだったんですね。
大量の経血が出たのは、今のところそのときだけです。なので吸水ショーツの効果はまだ実感しきれていませんが、「また急に月経になったらどうしよう」という不安を軽減するため、ナプキンを携帯しつつお守り的に履いています。



【40代後半・まみさん(仮名)の場合】

Q. 「フェムテック」というものは知っていましたか?

A. 知りませんでした。吸水ショーツや月経カップの存在は知っていましたが、フェムテックという名前があったんですね。

Q. 更年期のお悩みに対して、フェムテックを使ったことはありますか?

A. 月経用のフェムテックに興味はあったのですが、実際に使ってみる前に閉経したので使う機会がありませんでした。更年期の悩みに関しては、フェムテックを使ったことはないですね。最近は、身体の冷えが気になるので、よもぎ蒸しパッドなど、冷えにアプローチしてくれるアイテムを使ってみたいなと思っています。

フェムテック以外のおすすめのセルフケア

フェムテック以外にも、今日から取り入れられる更年期の方のセルフケアはいくつもあります。体質や好みなどによっても、合う方法は異なりますので、ご自身に合った方法を試してみてください。

更年期症状が気になる方におすすめのセルフケア

  • 生活習慣を見直す
  • ヨガを取り入れる
  • 瞑想する
  • 深呼吸する
  • 趣味を楽しむ
  • 寝る前に「よかったこと」を3つ考える

まずは運動・食事・睡眠といった生活習慣の基礎を整えることが大前提です。
生活習慣に改善点のある方は、適度な運動を心がけ、3食バランスのよい食事をとり、毎日しっかりと眠るだけでも、症状が楽になるかもしれませんよ。

「運動が大切なのはわかるけど、いきなりトレーニングを始めるのはきつい......」という方は、日常生活のなかで「少しでも体を動かす」ことを意識しましょう。たとえば、エスカレーターではなく階段を使ったり、ひと駅ぶんだけ歩いたりするだけでも、日々の積み重ねで運動の習慣がついていきます。

体を動かすことに慣れてきたら、簡単なストレッチやヨガを取り入れてみても良いでしょう。


「運動したほうが良い」とわかってはいても、仕事や家事で忙しいと、なかなか腰が重いですよね。無理に「やらないといけない」と思いすぎると、かえって自分を追い詰めてしまいます。できることから少しずつ始めていけば良いですよ。

フェムテック・フェムケアを取り入れて更年期とうまく付き合おう

今回は、フェムテック・フェムケアの概要とともに、更年期のお悩みを抱えられている方におすすめのアイテムを紹介いたしました。

フェムテックやフェムケアは、女性特有の悩みに寄り添い、解決をサポートしてくれるアイテムです。日本での知名度はまだ発展途上ですが、日本製の製品も登場してきています。今後は知名度の向上とともに、セルフケアアイテムの登場も期待できます。
ぜひ本記事を参考にご自身にぴったりのアイテムを探してみてください。

なお、フェムテックはあくまでも月経や更年期、妊活、女性ヘルスケアなど女性特有のお悩みをサポートする製品やアイテムなので、根本的な症状の改善は医療機関に相談しましょう。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
フェムケア
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