寝ても疲れが取れない...睡眠の質を変える寝る前習慣

寒さが厳しいこの季節、朝、目覚ましが鳴っても布団から出るのが本当に辛いですよね。 「年末年始の長期休みが明けて日常が戻ってきたけれど、なんだか体のリズムが戻らない...」「しっかり寝たはずなのに、体が鉛のように重い」そんな抜けない疲れを抱えていませんか? 実は、睡眠において重要なのは時間だけではありません。いくら長くベッドにいても、質が伴わず、脳が休まっていなければ、私たちの疲れはリセットされないのです。 この記事では、医療・ヘルスケアの専門的観点から、寝ても疲れが取れない本当の原因を解き明かし、薬に頼らず今日から実践できる睡眠の質を高めるセルフケアをご紹介します。 今夜から何をすべきか明確にして、久しぶりの「朝のスッキリ感」を取り戻しましょう。

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寝ても疲れが取れないのはなぜ?その正体は「脳のゴミ」

「しっかり寝たはずなのに、頭がボーッとする」と感じる方は、あなたの脳の中に老廃物(脳のゴミ)が残っているからかもしれません。私たちは日中、活動する中でアミロイドβ(ベータ)などの老廃物を脳内に蓄積させています。通常、老廃物は私たちが眠っている間に脳脊髄液(のうせきずいえき)という液体によってきれいに洗い流され、脳の外へ排出されます。この脳の洗浄システムはグリンパティック・システムと呼ばれています。
しかし、睡眠の質が悪かったり、時間が不足していたりすると、この洗浄システムが十分に作動しません。そうすると、洗い流せなかったゴミが脳に残留し、翌朝の取れない疲れや集中力の低下として現れるのです。

厚生労働省のデータが示す「日本人の睡眠」の深刻な実態

世界的に見ても日本人の睡眠時間は極端に短く、OECD(経済協力開発機構)の調査では、加盟国中でワースト1位を記録しています。まさに不眠大国とも言えるでしょう。実際に厚生労働省の調査でも、全体の約4割が、睡眠時間6時間未満と回答しており、多くの人が慢性的な寝不足を抱えながら日々を過ごしています。最適な睡眠時間には個人差がありますが、心身の健康維持という観点から見れば、まずは6時間以上の睡眠時間を確保することが大切です。

借金のように積み重なる睡眠負債の怖さ

医学的には、日々のわずかな睡眠不足が積み重なり、心身に悪影響を及ぼす状態を睡眠負債と呼びます。例えば、毎日1時間睡眠が足りない生活を1週間続けると、週末に少しくらい長く寝たとしても、溜まった借金(負債)は完済できません。実は、週末の寝だめで取り戻せるのはごく一部であり、完全に負債を返すには、質の高い睡眠を3〜4週間続ける必要があるとも言われています。
この「負債」が溜まり続けると、脳のパフォーマンスが低下するだけでなく、精神的な不安定さや、生活習慣病のリスクを高めることにもつながってしまいます。

朝のスッキリ感を決める「黄金の90分」とは

では、どうすれば効率よく「脳のゴミ」を洗い流し、負債を返済できるのでしょうか?
その鍵を握るのが、眠りについてから最初に訪れる90分間です。睡眠には、2つの波があります。

  • ノンレム睡眠:脳を休める深い眠り
  • レム睡眠:夢を見たり記憶を整理する浅い眠り

特に入眠直後の最初の90分間は、一晩の中で最も深いノンレム睡眠が現れる時間帯です。この時間は、単に深く眠っているだけではありません。細胞の修復や疲労回復を促す成長ホルモンが多く分泌されたり、脳のゴミ出し(グリンパティック・システム)がこの深いノンレム睡眠中に最も活発になります。

理由2:下半身の「ポンプ機能」を回復させ、熱を運ぶため

あなたの疲れの原因はどれ?3つの主要因をチェック

「私の疲れの原因はこれだ!」と一つに絞り込むのは難しいかもしれません。実は、睡眠の質を下げる要因は一つではなく、複数が複雑に絡み合っていることが多いです。まずは、ご自身がどのタイプに当てはまるかを確認してみましょう。

生活習慣と体内時計の時差ボケ

私たちの体には体内時計が備わっていますが、平日と休日の起床時間に2時間以上のズレがあると、脳は海外旅行に行った時のような時差ボケ状態に陥ります。このズレが修正されないまま月曜日を迎えると、体は今はまだ夜だと判断して活動モードにならず、結果として「寝てもダルい」「午前中頭が働かない」という不調を引き起こすことがあります。

女性ホルモン(PMS・更年期)と自律神経の乱れ

女性の睡眠は、ホルモンバランスの波と密接に関係しています。まず、排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)には、体温を上げて日中の眠気を誘う作用があります。一方で、体温が高いままだと夜の深い眠りに入りにくくなり、月経前(PMS)の時期は睡眠の質が低下しやすくなります。
また、更年期を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により、自律神経の調節がうまくいかなくなります。これにより、ホットフラッシュ(ほてり)や動悸が夜間に起こり、中途覚醒の原因となることがあります。さらに、仕事や家事のストレスで交感神経が高ぶったままだと、ベッドに入っても脳が興奮状態にあり、休息モードである副交感神経に切り替えることができません。

意外な盲点!寝室環境と隠れ冷え性

寝具や環境も、見落としがちな重要な要因です。例えば、就寝前のスマートフォンのブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまいます。豆電球をつけたまま寝るだけでも、まぶたを通して光を感じ、眠りが浅くなることがわかっています。他にも下記のようなことも睡眠の質を低くしてしまいます。

  • 手足の冷え:末端冷え性
  • お腹や背中が冷えている:隠れ冷え性
  • 枕の高さが合わない:首の神経を圧迫し、いびきや肩こり、熟睡感の欠如につながることも

今日から変わる!睡眠の質を劇的に高める「朝・昼・夜」の3ステップ

質の良い睡眠を手に入れるために大切なことは、朝起きた瞬間からの行動の積み重ねです。ここからは、脳の仕組みを利用した、3つの新習慣を紹介します。

【朝の習慣】起床後1時間のセロトニンで夜の眠りを作る

夜ぐっすり眠れるかどうかは、朝の行動で決まっています。その鍵を握るのが、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンです。朝、カーテンを開けて太陽の光を浴びると、脳内でセロトニンの分泌が始まります。実はこのセロトニンは、起床から約14〜16時間経つと、睡眠を促すホルモンのメラトニンに変化します。つまり、朝7時にしっかり朝日を浴びておけば、その15時間後の夜22時頃には自然と眠気がやってくるようになります。
しかし、朝の光を浴び損ねるとこの予約スイッチが入らず、夜になってもメラトニンが十分に作られないため、寝付きが悪くなってしまいます。まずは起きてすぐカーテンを開け、部屋を明るくすることから始めてみましょう。

【昼の習慣】夜のドカ食い・居眠りを防ぐ「パワーナップ」技術

午後の仕事中に襲ってくる強烈な眠気や、夜遅くになって無性にジャンクフードが食べたくなることはありませんか?
これらの予防効果を期待できるのが、パワーナップ(15〜20分程度の短い昼寝)です。人間の体内リズムには、午後2時頃に眠気のピークが来るので、このタイミングにあえて短時間の睡眠をとることで、脳内に溜まった疲労物質を取り除き、リフレッシュさせることができます。
さらに重要なのは、仮眠によってストレスホルモンがリセットされることで、夜間の暴飲暴食を抑える効果も期待できる点です。ただし、30分以上寝てしまうと深い眠りに入って目覚めが悪くなったり、夜の睡眠に悪影響が出たりします。あくまで20分以内に留めましょう。

【夜の習慣】脳のスイッチをオフにする入眠儀式

夜になっても仕事の興奮が冷めず、布団に入っても考え事をしてしまう。そんな時は、脳がまだ昼間のモード(交感神経優位)のままになっています。スムーズに眠りに入るためには、意識的に脳のスイッチをオフにする入眠儀式が必要です。

  1. 1. 就寝90分前にお風呂に入る:38〜40度のぬるめのお湯に浸かって体温を一時的に上げると、お風呂上がりに体温が下がっていく過程で、自然と強力な眠気が引き起こされます。
  2. 2. スマホを見ないようにする:就寝の1~2時間前は見ないようにしましょう
  3. 3. 軽いストレッチで筋肉をほぐす:激しい運動は逆効果ですが、ゆったりとした動きは副交感神経を優位にし、心身をリラックスモードへ導いてくれます。

ここで、ベッドの上でパジャマのままできる、おすすめのストレッチ動画をご紹介します。誰でも簡単にできるので、ぜひ実践してみてください。

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【重要】病気が隠れている可能性も?医療機関を受診すべきサイン

セルフケアしても症状が改善しない、あるいは生活に支障が出るほど辛い場合は、無理をしてはいけません。その疲れの背景には、病気が隠れている可能性があるからです。ここでは、特に注意したい症状と受診の目安について解説します。

いびき・無呼吸は睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサイン

睡眠中のいびきや呼吸の停止が指摘される場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあります。これは、寝ている間に気道が塞がり、何度も呼吸が止まってしまう病気です。呼吸が止まるたびに脳が覚醒してしまうため、いくら時間を確保しても質の良い睡眠がとれず、日中に強い眠気や倦怠感に襲われます。
一般的に肥満の男性に多いイメージがありますが、実は女性でも発症リスクは十分にあります。特に、女性は男性に比べて顎が小さい傾向があるため、痩せている方でも舌が落ち込んで気道を塞ぎやすいのが特徴です。
また、閉経後は気道を広げる働きを持つ女性ホルモンが減少するため、さらにリスクが高まることが知られています。家族にいびきを指摘されたり、夜中に息苦しくて目が覚めたりする場合は、早めに睡眠外来や呼吸器内科を受診しましょう。

だるさが続くなら貧血や甲状腺も疑って

睡眠の問題以外にも、女性特有の疾患が疲れの原因となっているケースがあります。例えば、月経による出血で鉄欠乏性貧血になると、全身に酸素が十分に行き渡らず、動悸や息切れ、強いだるさを感じることがあります。
また、喉にある甲状腺の機能が低下する橋本病(甲状腺機能低下症)も、20代〜50代の女性に多く見られ、無気力や過度の眠気、寒がりといった症状が現れます。さらに、メンタルヘルスの不調も見逃せません。

  • うつ病の初期症状として寝付きが悪くなる
  • 朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒
  • 寝ても疲れが取れない熟眠障害

もし、気分の落ち込みなど心の大きな変化も伴う場合は、心療内科やかかりつけの内科へ相談することをおすすめします。

質の良い睡眠で、明日の「私」をラクにする

今回ご紹介したように、睡眠は脳の老廃物を掃除し、明日を生きるエネルギーチャージをするために欠かせないものです。まずは今夜、スマホを置いて、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かることから始めてみませんか?
そして明日の朝、カーテンを開けて太陽の光を浴びたとき、少しだけ体が軽く感じられたら、それはあなたの体内時計が整い始めた証拠です。質の良い睡眠を手に入れて、軽やかで笑顔あふれる毎日にしていきましょう。


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