疲労のサインとは?情報過多で「休めない脳」の男女1,000人実態調査2026

東京ミッドタウンクリニック

田口 淳一(専門分野:循環器内科)

7月22日の「世界脳の日」に際し、30〜59歳の男女1,000名を対象とした「頭の疲れと脳のコンディション」に関する調査を行いました。
情報過多な現代において、多くの人が以下のような「脳疲労(休めない脳)」のサインに直面しています。

"集中力が続かない・散漫になる"
"休日や就寝前も仕事*が頭から離れない"

本記事では、アドバンスト・メディカル・ケアが実施した調査結果から、現代人の脳の健康実態と、パフォーマンス低下の原因となる「頭の疲れ」の正体を紐解きます。

 本リリース中における「仕事」は、調査項目の「仕事・家事・翌日の予定」となります

調査結果

調査の結果、30〜50代の2人に1人が、脳疲労のサインともいえる「頭が疲れている・重い」と感じていることが分かりました。特にPC利用時間が1日6時間以上の人では6割を超え、情報過多社会における"休めない脳"の実態が浮き彫りになりました。また、休日や就寝前でも翌日の仕事が頭から離れない人は46.1%にのぼり、休息時間であっても脳が十分にオフになれていない状況がうかがえます。さらに、「仕事が頭から離れない人」の74%が睡眠に不満を抱えていることも分かり、脳の休息不足が睡眠の質にも影響している可能性が示唆されました。

一方で、頭の疲れに対して「特に何もしていない」と回答した人は39.1%にのぼりました。さらに、頭のコンディション管理に関心がある人は多いものの、「何をすればよいかわからない」という声も多く、脳疲労への関心と具体的な対策との間には大きなギャップがあることが明らかになりました。

30〜50代に広がる"休めない脳"のサインから脳疲労の実態が明らかに

最近、頭が疲れている・頭が重いと感じることがあるかを聞いたところ、50.7%が「ある」と回答しました。また、休日や就寝前でも翌日の仕事が頭から離れないことがある人は46.1%、日中に「頭がさえている状態」を維持できていない人は53.7%でした。さらに、やる気の出にくさ、集中力のなさ、物忘れ、情報処理の遅さなど、日中に何らかの違和感を覚えている人は63.1%にのぼりました。

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30〜50代 2人に1人が「頭が疲れている」と回答

PC利用6時間超では6割超に上昇

普段のPC利用時間別に見ると、「頭が疲れている・重い」と感じる人は、PC利用1時間以下で41.0%、2〜3時間で48.7%、4〜5時間で58.7%、6時間以上で61.4%でした。スマートフォンやPC、チャットツール、SNS、AIツールなどに触れ続ける現代の生活環境の中で、デジタル接触時間の長さが"休めない脳"の背景の一つになっている可能性があります。

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「仕事が頭から離れない」人の74%が睡眠に不満

"休めない脳"の実態が明らかに

全体では、睡眠の質に不満を持つ人が62.2%、睡眠の量に不満を持つ人が58.4%でした。特に、休日・就寝前も翌日の仕事が頭から離れない人では、睡眠の質に不満を持つ割合が73.8%、睡眠の量に不満を持つ割合が73.8%となり、休息時間に頭が切り替わらない状態が、睡眠への満足感とも重なっている可能性がうかがえます。

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「頭の疲れ」=「脳疲労」に関する頭のコンディション管理

対策したい人の6割が「何をすればよいかわからない!?」

頭の疲れ=脳疲労への対策として普段していることを聞いたところ、「何もしていない」が39.1%で最多でした。一方で、今後、頭のコンディション管理に取り組みたい人は68.5%にのぼります。しかし、そのうち60.6%は「何をすればよいかまったく知らない」と回答しました。頭の疲れを日常のコンディション課題として捉え始めている一方で、具体的な対策や行動にはまだつながっていない実態が見えます。

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頭のコンディション管理に関心がある人は多いものの、「何をすればよいかわからない」という声も多く、脳疲労への関心と具体的な対策との間には大きなギャップがあることが明らかになりました。

田口理事長(医療法人社団ミッドタウンクリニック)に聞く
情報過多時代の"休めない脳と"睡眠"の関係

脳疲労の実態――情報過多時代に広がる"休めない脳"

スマートフォンやPC、SNS、チャットツール、AIなどの普及によって、私たちは仕事中だけでなく休日や就寝前まで、大量の情報に触れ続ける時代を生きています。その結果、「頭が疲れている」「頭が重い」「集中できない」といった不調を感じる人が増えており、こうした状態は、いわゆる"脳疲労"のサインと考えられます。

脳は日々膨大な情報を処理していますが、その過程で生じた老廃物は、主に睡眠中に活性化する「グリンパティックシステム(※)」によって除去されています。しかし、睡眠不足や睡眠の質の低下によってこの働きが十分に機能しなくなると、脳内に老廃物が蓄積し、頭重感や集中力・判断力の低下を招く可能性があるのです。

「頭が疲れた」という感覚を、決して軽視してはいけません。近年の研究では、脳に疲労感がある状態では注意力検査の反応時間が遅くなり、ミスが増え、記憶力や作業効率も低下することが示されています。つまり、頭の疲れを放置することは、日中の生産性低下に直結します。

今と将来の健康を守るための"睡眠習慣"

頭のコンディション管理の基本は、バランスの良い食事、適度な運動、そして質の高い睡眠です。なかでも睡眠は、脳の老廃物除去機能を維持するために特に重要です。OECD(経済協力開発機構)の調査でも、日本人の平均睡眠時間は加盟国の中で最も短いことが分かっており、脳の健康という観点からも睡眠改善は日本の大きな課題といえるでしょう。

特にこれからの暑い夏は、「頭は涼しく、首と足は冷やし過ぎない」ことを意識してください。室温は26〜28℃を目安にエアコンを適切に活用し、湿度を下げ、通気性の良い寝具を使用することが望ましいです。暑さを我慢することは、睡眠不足だけでなく、軽い熱中症や脱水による脳機能の低下も招きかねません。情報過多の時代だからこそ、「休めない脳」をしっかり休ませる睡眠習慣を整えること。そして「頭が疲れている」というサインを見逃さないことが、「今」のパフォーマンスはもちろん、「将来の脳の健康」まで守る第一歩になると考えています。

※「グリア細胞(神経細胞をサポートする細胞)」と「リンパ系」を組み合わせた言葉で、脳内のリンパ系に似た役割ということから名づけられました。グリンパティックシステムは主に睡眠中(特に深睡眠)に働きます。脳脊髄液が動脈周囲の隙間から脳実質に入り、細胞間の脳間質液と混ざり合いながら老廃物を洗い流し、静脈周囲の経路から排出されるようになります。

調査結果サマリー

No. 主な調査結果 調査から見えた傾向
1 30〜50代の2人に1人が「頭が疲れている・重い」と実感 「よくある」「ときどきある」の合計は50.7%。
2 PC利用6時間以上の6割超が「頭が疲れている・重い」と実感 PC利用1時間以下の41.0%に比べ、デジタル接触時間が長い層で頭の疲れが高い傾向。
3 46.1%が休日・就寝前も仕事が頭から離れない 休息時間にも頭がオフになりにくい"休めない脳"の実態が明らかに。
4 63.1%が日中のパフォーマンスに関わる違和感を覚えている やる気の出にくさ、集中力のなさ、物忘れ、情報処理の遅さなどのサインが見られた。
5 仕事が頭から離れない人の73.8%が睡眠の質に不満 仕事が頭から離れない人は、そうでない人(52.3%)より睡眠不満が高い傾向。
6 68.5%が頭のコンディション管理に関心
一方、取り組みたい人の60.6%が方法を知らない
関心はあるが、具体的な対策がわからない実態が見られた。

調査概要

調査名
情報過多時代の脳疲労サインと睡眠に関する実態調査
調査対象
全国の30〜59歳男女
サンプル数
1,000名
調査方法
インターネット調査
調査実施期間
2026年6月中旬
調査機関
株式会社ネットエイジア

SUPERVISERこの記事を監修した人

PROFILE

田口 淳一 (たぐち じゅんいち) 医師

医学博士
専門分野:循環器内科

東京大学医学部卒業。1993年ワシントン大学(シアトル)へ留学。東京大学医学部附属病院助手、元宮内庁侍従職侍医などを経て、2007年東京ミッドタウンクリニック院長、2024年より東京ミッドタウンクリニック総院長に就任。同年9月に「脳の健康を守る」をテーマに、認知症の発症予防から診断・治療法、介護ケアまで最新の研究に取り組む一般社団法人脳の健康を守る総合研究所 代表理事に就任。2026年5月 医療法人社団ミッドタウンクリニックの理事長に就任。

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※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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