それはまさに女性の核。腟内環境がもたらす幸福感もあること、知ってほしい。

齋藤 薫の老けない人。老けない話。 Vol.66

今オフィスなどで、無料の生理用品を常備する動きが生まれている。海外には、そういうことがもうとっくに当たり前になっている国が少なくない。日本は明らかに立ち遅れているというほかなく、例えば、スーパーなどで生理用品を買うと、他の製品とは別に茶袋に入れてくれるのが、未だ日本の常識であり続けていたりする。いうまでもなく、気遣いのサービスな訳だが、外国人はこれを非常に不思議がるという。見られたとしても恥ずかしがる必要など全くないのにと。

そうした土壌の中、「フェムテック」という概念が欧米から日本に上陸した数年前、月経カップやサニタリーショーツなどの関連商品を扱うことに、二の足を踏んだ店舗も少なくなかったという。でも、本当は誰もが待っていたのだろう。その後フェムテックは一大トレンドとなり、女性の悩みに答える様々な製品が日本で作られるようになった。

とは言え、一見しっかり浸透したようにも見えるフェムテックも、例えば、"なぜデリケートゾーンを洗うのに専用の洗浄剤が必要なのか?"、それを本当の意味で理解している人はまだまだ少ない気がするのだ。

専門家によれば、腟内にも腸内フローラと同じような腟内フローラが形成されていて、それを正常に保つためにも、また理想的なpHを保つためにも、洗い過ぎてはいけないという事情がある。つまり、そうしたことを踏まえたデリケートウォッシュが必要。細菌バランスが良ければ、自ずと腟は健康となり、自浄作用も働いて清潔も保たれるのだから。

一方で、とても乾燥しやすいデリケートゾーン。他の皮膚に比べて経皮吸収率が非常に高い腟は、とりわけ優しく保湿してあげることが大切だから、これも専用のモイスチャーが必要になるということなのだ。

見えないところだけに、自分のデリケートゾーンに対して、神経質になり過ぎるか、あるいはまた無頓着になってしまうかのどちらか。ただどちらにせよ、顔以上の優しさを持ってお手入れしてあげたい大切な部分であるのは確かなのだ。年齢を重ねるほどに、実は腟の衰えが全身の衰えにつながってくるともいわれるのだから。

まずは関心を持ってあげること。でも神経質になり過ぎないこと。いつも正しく清潔に保ち、刺激となることは避け、心地よく保つことなのだ。不思議なもので、デリケートゾーンを爽やかに保っていると、全身がリフレッシュしたように心地よく、気持ちまで爽快なまま1日を過ごせる。いろんな意味で女性の核となる部分なのである。

女性は、厄介な月経に悩まされる時期を終えれば、更年期障害に悩まされ、その後はまた女性ホルモンの分泌が極端に減ることによって様々な悩みに見舞われることになる。特に日本の女性は、不定愁訴もまた更年期障害も、人に相談することなく1人で悩んできたはず。でもこうした女性特有の悩みは、誰かと悩みを共有することで、驚くほどつらさが軽減するもの。ましてや自分にぴったりのフェムケアが見つかったとき、何か存在そのものを守られているような気がしてきっと気持ちまで楽になり、予期せぬ安らぎが訪れるはず。病気ではないからと諦めないで。女性の宿命と諦めないで。深く理解してくれ、守ってくれるモノがあると知るだけで、少しだけ日々の幸福感が増えるはずだから。

SUPERVISER

この記事を監修した人

齋藤 薫
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齋藤 薫(さいとう かおる)

美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo! ニュース「個人」』でコラムを執策中。『美人だけが知っている100の秘密』(角川春樹事務所)、『"一生美人"力 セカンドステージー63の気づき』(朝日新聞出版)、『年齢革命 閉経からが人生だ!』(文藝春秋)など著書多数。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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