40代はやせにくい?ぽっこりおなかを回避するプチ習慣

年齢を重ねるにつれて目立ち始める「ぽっこりおなか」。食生活も日々の過ごし方も、昔から何も変わっていないのに、なんだかおなかばかり出てくる...とお悩みの方も多いのではないでしょうか。しかも、若い頃ならすぐにやせられたのが、年齢を重ねるごとにやせにくくなったという壁にぶつかっている人も多いはず。
ここでは、そんな悩みを抱える女性たちに向けて、ぽっこりおなかの原因とその改善策をご紹介します。
[2021年4月14日更新]
ぽっこりおなかの原因とは?
体重は、昔とそれほど変わっていないのに、体形が崩れてきたと感じる40代以降の女性は多いでしょう。中でも気にしている人が多いのが、ぽっこりおなかです。
では、なぜ40代以降の女性は、おなかに脂肪がつきやすいのでしょうか。主な原因として考えられるのは、次の5つです。
原因1 皮下脂肪や内臓脂肪の増加
40代を迎えると基礎代謝(何もしなくても消費されるエネルギー)の量が急激に減ってしまうため、これまでと同じように食べているとカロリーを消費しきれず、皮下脂肪が溜まって太ってしまいます。
さらに、閉経後になると、内臓脂肪の代謝を促して蓄えにくくする働きのある女性ホルモンの一種、エストロゲンの分泌が減少することで、腸の周りや内臓に脂肪がつきやすい状態になることも。下腹だけぽっこりと目立つようになるのはそのためです。
原因2 筋力の低下
加齢に伴って筋力も低下しやすくなりますが、特におなかを引き締めている腹筋の量が減ってくると、皮下脂肪や内臓脂肪がそのまま体のラインに現れてしまいます。
また、筋力が低下することで正しい姿勢がキープできず、おなかだけでなくお尻が垂れてきたり、さらには腸の働きにまで影響が出てきたりします。
原因3 便秘
40代に入ってエストロゲンの分泌が減少すると、自律神経が乱れて腸の働きが弱まり、便秘になりやすくなります。ほかにも、偏った食事によって腸内環境が悪化したり、運動不足によって腹筋が衰えたりすることで便秘を引き起こすことも。
そして便秘が続くと、溜め込んだ便のせいでおなかが張ってきて、それが見た目にも現れます。
原因4 冷え・むくみ
冷えは、血管やリンパ管を通って全身を回っている、水分の巡りが悪くなることで起こる現象。そしてむくみは、滞った水分が血管やリンパ管から漏れ出して、細胞と細胞のあいだに溜まることで起こります。この冷えとむくみは、相関関係にあるのです。
例えば、長時間座り仕事をしている人は、脚の付け根のリンパが圧迫されてむくみ、それが冷えにつながります。そして、冷えから体を守るために下腹部には皮下脂肪が溜まり、さらに血流も滞るので脂肪が燃焼しない...その悪循環がぽっこりおなかとして現れるのです。
原因5 骨盤のゆがみ
長時間同じ姿勢で仕事をしていたり、姿勢が悪かったりすると、骨盤がゆがんで内臓の位置が下がり、下腹に脂肪がつきやすくなります。
ぽっこりおなかを回避するには?
では、ぽっこりおなかにならないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。ぽっこりおなかを回避するために、改善すべき点を4つご紹介します。
改善点1 食生活を見直す
40代になると、基礎代謝量は減少するもの。まずは、現在の基礎代謝量に合わせて、食生活を見直しましょう。ただし、以前より極端に食べる量を減らしたり、単に摂取カロリーを減らしたりというやり方はNG。栄養の偏った食事は、かえって皮下脂肪を増やす原因になってしまいます。
食事はバランス良く、低脂質・高たんぱくを心掛けてください。食べるときはゆっくりよく噛んで、腹八分目でやめることも大切です。もし食べすぎてしまったら、次の食事を調整して、摂取したカロリーが脂肪にならないよう、工夫しましょう。
食物繊維を多く含む食品や、納豆やキムチなどの発酵食品、乳製品を多くとると、便秘解消も期待できます。
・鶏の胸肉、ささみ
・大豆製品
・白身魚や青魚
・海藻類
・山芋、オクラ
・納豆
・キムチ
・チーズ
・ヨーグルト <避けたい食物>
・揚げ物など脂っこい物
・スナック菓子
・ケーキ
・ジュース
改善点2 睡眠・入浴方法を見直す
食生活とともに改善したいのが、睡眠や入浴などの生活習慣です。
・睡眠
肥満と睡眠のあいだには、密接な関係があるといわれています。海外の研究結果によれば、睡眠時間が7〜8時間の人は肥満度が最も低く、それより短くても長くても肥満度は高くなるそう。
1日の睡眠時間を見直して、良質な睡眠をしっかりとるようにしましょう。
・入浴
暖かい季節は、ついシャワーだけで済ましがちになりますが、実はそれも体が脂肪を溜め込む原因のひとつ。
湯船に浸かって汗をかくことで、体内の毒素が排出されて代謝もアップし、冷え・むくみの解消にもつながります。時間があるときは、血行を促進する効果が高い半身浴でゆっくりお湯に浸かると◎。やせやすい体質づくりには、入浴が欠かせないことを覚えておきましょう。
改善点3 腹式呼吸を意識する
腹式呼吸は、日常生活に取り入れやすく、ぽっこりおなかを解消してくれる呼吸法。インナーマッスルが鍛えられ、代謝も上がって、じわじわとおなかに効いてきます。
<腹式呼吸の方法>
1. 鼻から長く息を吸っておなかを膨らませ、2秒間息を止める
2. おなかに力を入れてへこませながら、口から長く息を吐き、2秒間息を止める
この呼吸法を意識して繰り返しましょう。
日々の生活の中では、次のようなシーンで行うことをおすすめします。
・寝る前や起床後に
ベッドに横になったまま、腹式呼吸をします。腰と背中をまっすぐ床につける意識で行うと、姿勢悪化の原因になる反り腰にも効果的です。
・移動中に
通勤途中の電車の中や、信号待ちのときなど、移動中に直立姿勢になることは意外と多いもの。腹式呼吸は立ったままでもできるので、余裕があれば行ってみましょう。
背筋を伸ばし、左右の足に体重を均等にかけた、正しい姿勢で行うことが大切です。
・デスクワーク中に
デスクワーク中、背中が丸まって姿勢が悪くなっていることに気付いたら、休憩がてら座ったまま腹式呼吸を。立っているときと同じように、背筋を伸ばして行います。
改善点4 ストレッチを心掛ける
骨盤のゆがみにつながる姿勢を正すには、ストレッチがおすすめ。座ったまま、寝たままの姿勢で気軽にできるストレッチなら、生活スタイルに合わせて気軽に実践できるでしょう。
簡単にできるストレッチ法をご紹介します。
<椅子に座ってできるストレッチ>
1. 椅子に座り、背筋を伸ばして姿勢を正します
2. 左右いずれかの足首を、もう一方の脚の太ももにのせます
3. 背筋を伸ばしたまま、上体を股関節から前に倒します
4. 上体を前に倒した状態で力を抜き、20~30秒静止してゆっくり深呼吸。そして、上体を元に戻します
5. 足を組み替えて「2」~「4」を行います
<寝転がってできるストレッチ>
1. 仰向けに寝て両脚を上げ、首・肩・背中が床から離れないように、ひざを90°に曲げます
2. 息を吐きながら、下腹の筋肉を意識してゆっくりお尻を持ち上げるように腰を浮かし、下ろします
3. 「1」~「2」の動きを10回繰り返します
監修者・更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんより
小さな心掛けの積み重ねで、何もしないでいた場合と大きく差が出るのが更年期からの心と体。ここでご紹介したプチ習慣を続ければ、ぽっこりおなかがスッキリするだけでなく、全身の見た目も、体調も良くなるはずです。
プチ習慣とはいえ、日によってやりたくない日もあるなど、モチベーションはどうしても浮き沈みするもの。継続のポイントは「やる気」に頼るのではなく、「日々のルーティーンに組み込むこと」です。
寝る前に腹式呼吸をする、デスクワークのときに背筋を伸ばすといったことを毎日の日課にして、続けてみてくださいね!
この記事を監修した人
永田京子(ながた・きょうこ)さん
兵庫県出身、愛知県小牧市在住。2児の母。東映アカデミーに所属し、役者として舞台やドラマなどで活躍した後、ピラティスや整体、経絡、アロマ、リフレクソロジーなどを学び、ピラティス指導者、産後ケアのインストラクターとしての活動を開始。受講者の声と、更年期障害が悪化して苦しむ母を見ていた経験から、女性ホルモン・更年期の正しい情報と対策を伝えるNPO法人「ちぇぶら」を創設した。「ちぇぶら」は更年期を英語でいう「the change of life」の意。著書に「女40代の体にミラクルが起こる! ちぇぶら体操」(三笠書房)、「はじめまして更年期」(青春出版社)がある。
※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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