歯茎が腫れる...40、50代の更年期と歯周病の関係と予防策
更年期障害といえば、ホットフラッシュやほてりなどの症状がよく挙がります。しかし、更年期を迎えた女性に話を聞いてみると、口内トラブルを抱えている人も意外に多いもの。
なぜ、加齢に伴って歯周病などの悩みが増えるのでしょうか?今回は、更年期の女性ホルモンの変化と歯周病との関係について、ダイアナさんが解説してくれますよ!
【PROFILE】
ダイアナさん(51歳)
更年期をテーマにした記事を多く手掛け、さまざまな女性の悩みにも耳を傾けてきた医療ジャーナリスト。趣味はジャズ鑑賞、乗馬。安らぎのひと時は、なじみのカフェでお茶をすること。
喉が渇くのは暑さのせいじゃない!?
夏のある日、お友達のサチコさんと出掛けたダイアナさん。とあるお店でショッピングを楽しんだ後、次の目的地へ向かおうとすると、サチコさんからこんな提案がありました。
サチコさん 「ダイアナさん、ちょっとお茶でもしませんか?」
ダイアナさん 「いいけど...今日はずいぶん水分とってるわね」
サチコさん 「もう、喉がカラカラで...。最近やたらと口の中が乾くし、喉が渇くんですよね」
ダイアナさん 「もしかしたら更年期特有のものかもしれないわね。ほかに、口周りで気になることはない?」
サチコさん 「歯茎が腫れたり、冷たい物がしみたりします」
ダイアナさん 「やっぱり...。あまり知られてないかもしれないけど、実は、更年期になると口内トラブルが増えてくるの。お茶するついでに、そのしくみを説明するわね!」
加齢に伴って起こる口内トラブル
歯周病は、30代以上の女性の多くが悩まされているといわれていて、初期の段階では自覚症状がないまま進んでしまうことも多いそうよ。進行してくるうちに現れる症状には、次のようなものがあるわ。
更年期を迎えて以降、こうした症状を感じるようになったら、更年期に伴う歯周病の可能性大!しっかりとしたケアをするのが大切になるわ。
更年期に歯周病になるのはなぜ?
そもそも、更年期にどうして歯周病になるのか、不思議よね? その理由としてはこんなことが考えられるわ。
更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)が減少していくというのはよく知られているわよね。女性ホルモンは「女性らしさ」を作るホルモンとして、子宮に作用したり、乳房を発達させたりするほか、骨量を増やす、体に潤いを与えるといった働きも持っているの。そんな役割のある女性ホルモンが減少すると、体は乾燥しやすくなるのよ。それは口の中も同じ。口の中が乾燥したり、喉が渇きやすくなったりするのはこのためね。
また、乾燥して唾液の分泌が低下することによって、口の中は汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうわ。こうしたことが、歯周病の原因になっているのね。このように、一見何の関係もないように思える更年期と歯周病だけど、実はとても大きな結び付きがあるのよ。
歯周病の原因は更年期だけではない
とはいえ、更年期を迎えた人が必ず歯周病になるというわけではないわ。最初に説明したとおり、歯周病は30代以上の多くが悩んでいるといわれている病気。その発生要因には、生活習慣も大きく関わっているのよ。
歯周病の予防と対策
歯周病を予防するためには、毎日の歯磨きを欠かさないことが最も大切。特に、歯の根元に溜まりやすい歯垢(プラーク)は細菌の塊なので、歯と歯茎の境目は念入りにブラッシングしたほうがいいわ。さらに、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯のあいだまでしっかり汚れを落としたら、仕上げに殺菌剤配合のデンタルリンスを行うと完璧よ。
ちなみに、歯磨きだけだと全体の汚れの6割程度、デンタルフロスや歯間ブラシを併用してやっと8割以上が落とせるといわれているの。なので、定期的に歯科での歯石除去やクリーニングを行ってほしいわ。
このほかにも、カルシウムや、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、たんぱく質などをとるのも効果的。これに適度な運動もプラスして、骨を丈夫にするように心掛けてね。
日頃からの適切なケアを心掛けて
もし、歯茎の腫れといった歯周病の初期症状を感じたときは、早めに歯医者さんに相談するのに加えて、普段の歯磨きも見直してみて。歯茎に炎症が見られる場合、硬い歯ブラシでは歯茎を傷付けてしまうので、ブラシ部分はやわらかめで、毛先は歯と歯のあいだに届きやすい細いタイプがおすすめよ。
歯周病は、症状がひどくなると歯を失いかねない病気。けれども、適切なケアと日頃の心掛けによって、歯周病になりにくくすることはできるわ。早いうちからケアするようにしましょうね。
東京ミッドタウンデンタルクリニック(東京・六本木)
虫歯、歯周病などの一般歯科診療からホワイトニング、矯正などの審美治療まで各分野の医師が幅広いニーズにお応えするクリニック。歯周治療は基本のクリーニングのほか、外科的な措置にも対応。痛みに配慮した治療や、すべての診療環境は半個室・個室、アロマ、音楽など快適な空間作りにもこだわりが。
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