足がつりやすいのはなぜ?その原因と予防法

激しい運動をした後や寝ているときなど、急に足がつって激痛に襲われることはないでしょうか。足がつるとは、おもにふくらはぎの筋肉が収縮し、痙攣(けいれん)を起こして、強い痛みを伴う状態のこと。ふくらはぎは「腓(こむら)」と呼ばれていたことから、「こむら返り」と呼ばれることもあります。
中高年になると、足がつりやすくなるといわれています。痛みはもちろん、対処を怠ると肉離れを起こすこともありますので、足がつりやすい人は日頃のケアや予防が必須です。
突然起こる「足のつり」の原因や予防法について、医療・美容記事を多く手掛ける編集者/ライターのライラさんに教わりました。
【PROFILE】
ライラさん(40歳)
医療・美容を多く手がける編集者/ライター。気になった健康法は試さないと気がすまない性質。「ストレスを明日に持ち越さない」をモットーに、日々体を動かすことを欠かさない。最近、ボルダリングに目覚めた。
中高年になると、軽い運動でも足がつりやすくなる
友人のかおりさんと、山にハイキングに来たライラさん。心地良い疲れを感じながら、帰途につきます。
ライラさん 「今日はたくさん歩いたわね」
かおりさん 「こういう日って、足がつりやすくなるのが悩みなのよね...」
ライラさん 「こむら返りね。運動後は、ストレッチを忘れないようにしないと」
かおりさん 「最近、昔より足がつりやすくて。寝ているときに、布団の中で足に激痛が走って目が覚めるのよ。どこか悪いのかしら...」
ライラさん 「年齢とともに、足がつりやすくなるといわれているわ。足のつりの原因と、足をつったときのケア、予防法について詳しく説明するわね」
足のつりのおもな原因は?
ふくらはぎの筋肉が強く縮んで痙攣(けいれん)することで、激しい痛みを伴う「こむら返り」。医学用語では「有痛性筋痙攣」や「筋クランプ」と呼ぶの。自分の意思とは関係なく突然起こるから、驚いてしまうわね。
中高年になると、「足がつりやすくなった」と感じる人が多いわ。ウォーキングなどの軽い運動や、リラックスしている睡眠中などにも足がつってしまうの。足がつるメカニズムは、実はまだ解明されていないけれど、以下のことが原因といわれているのよ。
<足のつりのおもな原因>
・体内のミネラルや水分バランスの乱れ
・足の筋肉量の減少
・下痢や消化不良による脱水症状
・冷えによる血流の低下
・病気による神経障害
・薬の副作用
私たちは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、血液中にあるミネラルイオンによって、筋肉や神経の働きを調整しているの。加齢や疲れなどでその調整機能が衰えると、ミネラルバランスが崩れて筋肉に異常が起こり、足がつると考えられているわ。
加齢によって筋肉量が落ちることも、足がつりやすくなる原因のひとつ。筋肉量が減少すると、血の巡りが悪くなり、ビタミンやミネラルなどの栄養分が体内に行き渡りにくくなるの。それによって、疲労が溜まりやすくなり、筋肉の過剰な収縮が起こるのではないかといわれているわ。
睡眠時に足がつりやすいのは、加齢による筋肉量の低下や疲労の蓄積に加えて、眠っているときに汗をかくことでミネラルが大量に消費されることが原因と考えられているのよ。冷えなどで血流が悪くなっているときも、足がつりやすくなるわね。
足がつったときの対処法と予防法は?
突然足がつったときは、まず、つった部分の筋肉をゆっくり伸ばすことが大切よ。慌てて伸ばすと筋繊維が壊れて、痛みが長引いたり肉離れを起こしたりすることもあるから注意しましょうね。ふくらはぎがつった場合は、ゆっくりと足のつま先を手前に引き寄せるといいわ。立てるようになったら、アキレス腱を伸ばす要領で、ふくらはぎのストレッチをしてみて。
「最近、足がつりやすい」という人は、次のような方法で予防をしましょう。
足のストレッチやマッサージ
足の筋肉の疲労を解消するために、夜寝る前に、足首のストレッチやふくらはぎのマッサージを習慣にしてみて。マッサージするときは力を入れすぎず、筋肉を押し広げるようにするのがコツよ。アロマオイルなどを使うのもおすすめ!
スクワットで血行を促進
スクワットは、血流を良くするのはもちろん、筋肉量を維持するためにも有効よ。スクワットするときは、肩幅くらいに足を開き、両手を体の前に水平に伸ばしてひざの屈伸をしましょう。
ミネラル入りの水分を積極的に補給
スポーツドリンクなどで、水分とミネラルを補給しましょう。冷たい物を飲みすぎると、冷えにもつながるから常温がベスト。寝ているあいだに発汗するから、寝る前に飲むと効果的ね。
横向きで寝たり、軽いかけ布団に替えたりする
仰向けで重い布団をかけて寝ることで、足首の関節が伸びてしまうの。足首に負担がかかることで、足がつりやすくなるわ。横向きに寝るか、軽いかけ布団にして足首への負担を減らしましょう。
冷え対策をする
冷えると血流が悪くなるから、冷え性の人は特に気を付けて。足湯に浸かったり、締め付けすぎないレッグウォーマーを活用したりするなど、なるべく体を冷やさず血流のいい状態を保ちましょう。
頻度が多ければ大きな病気が隠れているケースも!
足のつりは、大抵は一時的だけど、時には大きな病気が隠れていることもあるわ。糖尿病や脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、椎間板ヘルニア、肝臓障害、脳梗塞といった病気の症状で足がつることも。
足のつりを頻繁に繰り返す場合は、早めに医療機関を受診して医師の診断を受けましょう。
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