エイジングケアや腸活にも!「フルーツの王様」キウイの特徴
栄養価が高いことから、「フルーツの王様」と呼ばれることもあるキウイフルーツ。毎日の食事にキウイを1個プラスするだけで、ビタミンCや食物繊維など、不足しがちな栄養素を補うことができます。
ここでは、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアの管理栄養士・山田が、キウイに含まれる栄養素やおいしいキウイを選ぶコツをご紹介。フードコーディネーターの清水加奈子さんには、キウイの栄養素をおいしく摂取できる簡単レシピを教えていただきます。
ビタミンCとビタミンEの相互作用で抗酸化力がアップ!?
手のひらサイズの小さな実に、栄養素がギュッと詰まっているキウイ。果物の重量100gに、ビタミンCや食物繊維、カリウムなど、17種類の栄養素がどのくらい含まれるか比較した「栄養素充足率スコア」で、キウイはトップクラスとなっています。
■果物別栄養素密度
キウイには、強力な抗酸化作用を持つポリフェノール、むくみや高血圧の予防につながるカリウムなど、更年期世代が積極的に摂取したい栄養素もたくさん含まれています。その中でも、特に注目したいのが、ビタミンCとビタミンEです。
「キウイには、ミカン3個分のビタミンCが含まれています。ビタミンCには、シミのもとになるメラニンの生成を抑えたり、コラーゲンの生成を促したりする作用があり、美しい肌を保つためには欠かせません。
また、ビタミンEには血行を促す作用があります。血行が良くなることで、くすみの改善につながりますので、透明感のある肌を取り戻したい方は、ビタミンEを積極的にとりましょう」
ビタミンEは抗酸化作用の高い栄養素であり、ビタミンCとの相互作用によって、抗酸化力がより高まるそう。この2つをいっしょに摂取できるキウイは、エイジングケアの強い味方といえますね。
キウイ1個でどのくらい食物繊維がとれる?
女性は、閉経を迎える頃からコレステロール値が上昇する傾向にあります。血液中のコレステロールや中性脂肪が多くなってしまう脂質異常症などの疾患に悩まされないためにも、意識して食物繊維をとりたいところ。
ところで、私たちは、1日にどのくらいの食物繊維を摂取しているのでしょうか。
「食物繊維は1日20gの摂取が推奨されていますが、ほとんどの方が、1日10〜12g程度しか摂取できていないのが現状ですね。そこで、キウイを活用していただきたいんです。
キウイには、1個(約100g)あたり2.5gの食物繊維が含まれていて、それほどの量をとれる食品は珍しいんです。そのため、朝食にキウイを1個プラスするだけでも、不足しがちな食物繊維を補うことができますよ」
食物繊維が腸に入ると、腸内細菌がそれをエサにして、さまざまな種類の短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)を作ります。
短鎖脂肪酸とは脂肪酸の中で最もエネルギーになりやすい脂肪酸のことで、ダイエットでも注目の成分。これが増えることで腸内の酸性度が高まり、悪玉菌が棲息しにくくなることによって、腸内細菌のバランスが改善されるそうです。
「短鎖脂肪酸には酢酸やプロピオン酸など種類がありますが、医学や栄養学の分野で今最も注目されているのが『酪酸(らくさん)』です。腸内環境を整えるために、日本人には酪酸が一番合うという医師もいらっしゃいます。
酪酸は、腸を活発に動かすエネルギー源になり、整腸作用を促します。女性の中には、便秘に悩む方も多いですが、腸がきちんと動いていないというのも便秘の大きな原因。
食物繊維が豊富なキウイを食べて、酪酸の生成を促し、腸を活発に動かして便秘を改善しましょう」
キウイに含まれる酵素が胃もたれを防ぐ
皮をむかずに半分に切って、スプーンでそのまま食べられる手軽さもキウイのいいところ。加熱することで酵素が失われてしまうため、栄養素を余さず摂取したければ、生のまま食べることをおすすめします。
「キウイを食べると、舌がピリピリすることがありますよね。これは、キウイに含まれる『アクチニジン』という酵素の働きによるものです。
アクチニジンは、たんぱく質の分解を促す酵素の一種。肉を食べた後、キウイを食べるとたんぱく質の分解を助けてくれるため、胃に負担をかけずに済みます。
料亭などでは、キウイに肉を漬け、繊維をやわらかくしてから調理するところもあると聞きますよ」
また、キウイは熟せば熟すほど、果糖やブドウ糖などの糖分がビタミンCに変化するそうです。茶色い皮の外側から、どのように食べ頃を判断すればいいのでしょうか。
「キウイは、頭とお尻を押したときに、少しくぼむ程度が食べ頃です。冷蔵庫の中など、低温の環境ではなかなか反応が進みませんので、購入した後は直射日光があたらない場所に保存し、熟すまで待ちましょう。
追熟を早めたければ、リンゴやバナナといっしょにビニール袋に入れておくことをおすすめします。リンゴやバナナに含まれるエチレンガスが、キウイの追熟を促してくれるからです」
腸活にぴったり!「キウイヨーグルトゼリー」
ここからはフードコーディネーターの清水加奈子さんに、キウイを使ったオリジナルレシピを教えていただきます。今回は、食物繊維を豊富に含むキウイの力を最大限に引き出すデザートをご紹介!
<材料(2人分)>
キウイ...1個
牛乳...2分の1カップ
ヨーグルト...150g
はちみつ...大さじ2
粉ゼラチン...5g
水...大さじ2
<作り方>
1. キウイをざく切りし、袋に入れて麺棒などでつぶす。
2. 水に粉ゼラチンを振り入れふやかす。
3. 耐熱ボウルに牛乳を入れ、電子レンジで70℃以上に温める。2を加えて溶かし、混ぜる。
4. 3にヨーグルト、はちみつを加えてよく混ぜる。あらかじめ冷やしておいたグラスなどに注ぎ、冷蔵庫で1時間以上冷やして固める。
5. 4のゼリーが固まったら冷蔵庫から取り出し、1のキウイをのせる。
キウイの食物繊維と、はちみつなどに含まれるオリゴ糖、ヨーグルトをいっしょに食べることで、腸内フローラのバランス改善に効果を発揮するそうです。
ゼリーの程良い甘さとキウイの酸味が相まって、甘い物が苦手な人も食べられますので、ぜひ試してみてください!
<レシピ監修>
フードコーディネーター 清水加奈子(しみず かなこ)
管理栄養士でもあり、調理師、中医薬膳師の資格も持つフードコーディネーター。アイディアレシピやダイエットレシピの提案からフードスタイリングまで幅広くこなし、食関連の企業サイトや雑誌などで活躍中。
http://www.kanako-shimizu.com/<記事監修>
管理栄養士 山田
(株)アドバンスト・メディカル・ケア所属。家族が高血圧気味だったため、食事改善をおこなったところ、数値が良くなったことをきっかけに管理栄養士を目指す。短大卒業後、医療施設で病院食の栄養管理や、保育園で子供たちへ提供する給食作りに携わる。2017年より東京ミッドタウンクリニックに併設するサプリメントショップ「ヘルスケアショップTMMC Plus」に勤務。健康・美容・ダイエットなど、幅広い相談を管理栄養士の立場からサポートしている。
<ヘルスケアショップTMMC Plus>
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