イソフラボンの効果って?「女性の悩みを解決する」といわれる理由

大豆に含まれる成分「イソフラボン」は、女性にとってうれしい成分と聞きますが、その理由についてよく知らない人も多いのではないでしょうか。
イソフラボンは、体の中で女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをして、女性の健康や美をサポートしてくれるといわれています。ここでは、イソフラボンの働きや期待できる効果のほか、効果を高めるために知っておきたいことなどについて見ていきましょう。

大豆に含まれるイソフラボンの働き

イソフラボンは、大豆の中でも、大豆胚芽に多く含まれる成分のひとつ(ポリフェノールの一種)です。代謝を促したり、肌にうるおいやハリを与えたりする女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ていることから「植物性エストロゲン」とも呼ばれ、体内でエストロゲンに似た作用を発揮することがわかっています。

エストロゲンの分泌量は、40歳頃から減り始め、閉経を迎える頃に急激に減少します。閉経の前後5年程にあたる更年期に、さまざまな不調が現れるのはこのためです。

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イソフラボンの効果とは?

イソフラボンには、女性ホルモンと似た働きをするほか、疾病を予防したり、免疫力を高めたりする効果が期待できます。続いては、イソフラボンの効果を、2つの観点から見ていきましょう。


エストロゲンに代わって補足的に働く

イソフラボンは、加齢に伴って減少するエストロゲンに代わって、以下のような働きをします。

・肌の新陳代謝を促進させ、ハリ・つやを保つ
イソフラボンには、肌の新陳代謝を促進させる働きがあります。また、肌の弾力に影響するコラーゲンや、潤いを与えるヒアルロン酸を作る力を維持し、みずみずしい肌を保ちます。

・骨密度を維持する
イソフラボンは、骨の中にあるカルシウムの流出を防いで骨密度を維持し、骨粗しょう症を予防する働きがあります。

・更年期の症状の緩和
イソフラボンは、ホットフラッシュやのぼせ、肩こり、頭痛といった身体的なものから、イライラや不安など精神的なものまで、さまざまな更年期の症状を緩和します。


疾病予防や免疫力強化

食生活の欧米化で、日本人のコレステロール値は上昇傾向にあるといわれています。特に、エネルギー代謝の落ちる更年期の女性は、コレステロールが増加しやすく、放っておくと動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞など、大きな病気につながる可能性も。

イソフラボンには、血中のコレステロール値を減少させる効果があり、このような疾病の予防に役立ちます。

また、大豆を発酵させると、イソフラボンはアグリコンという分子に変化します。アグリコンには、免疫力の増強、抗がん作用、抗菌作用などがあるといわれています

イソフラボンを多く含む食品

内閣府の食品安全委員会では、食品からのイソフラボンの安全な摂取目安量の上限値を70~75mg/日、理想的な摂取量を40~50mg/日に設定しています。

イソフラボンは、日本人の食生活になじみが深い大豆加工食品のほとんどに含まれています。代表的な食品とその平均含有量を参考に、複数の大豆製品を組み合わせて摂取するといいでしょう。

では、具体的にどのような食品をとれば、イソフラボンを効率的に摂取できるのでしょうか。

■おもな大豆加工食品のイソフラボン含有量

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※厚生科学研究(生活安全総合研究事業)「食品中の植物エストロゲンに関する調査研究

イソフラボンの効果が出やすい人・出にくい人

さまざまな効果があるイソフラボンですが、その現れ方は一律ではありません。同じ量のイソフラボンをとっても、人によって効果が現れやすい人と、現れにくい人がいます。

この違いは、食品から摂取したイソフラボンがそのまま吸収されるか、よりエストロゲンに近い構造をしたエクオールという物質に変換されて吸収されるかにあります。

イソフラボンをエクオールに変換するには、大腸に棲息する腸内細菌の中に「エクオール産生菌」が存在し、活動していなくてはなりません。日本人の中では、エクオールをみずから作ることができるのは、約3人に1人といわれています。

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イソフラボンの効果を最大化させるために

エクオールは、イソフラボンから腸内細菌の力を借りて作られるため、イソフラボンの効果を最大化させるには、腸内フローラを改善し、エクオールを産生できる状態に近づけることが大切です。腸内フローラは、これまでの食生活の積み重ねに加えて、日々の生活習慣からも大きく影響を受けます。まずは、良質な睡眠をとり、適度な運動をして、ストレスを減らしましょう。

また、大豆を毎日食べている人と、あまり食べていない人では、エクオールを作れる割合が2倍近く違うともいわれています。大豆食品を毎日、定期的に食べることも、エクオールを作るために心掛けたいポイントといえるでしょう。

■大豆食品を食べる頻度とエクオール産生者の割合

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※Takimoto et al.,J.Epidemiol.(2014)より引用、改変

なお、自分がエクオールを産生できるかどうか知りたいときは、簡単な尿検査でチェックできます。検査の結果や、1日の大豆摂取量を踏まえて、エクオールが不足している場合には、サプリメントで補完してもいいでしょう。ただし、1日あたりの総量として30mgを越えないようご注意ください。

イソフラボンには女性にうれしい効果がたくさん!

イソフラボンは、女性の美と健康を支える大切な成分です。毎日の食生活に大豆製品を取り入れ、不足分はサプリメントで補いながら、上手に摂取してください。

イソフラボンは、食べて1~2日すると尿から排出されてしまうため、定期的に摂取するようにしましょう。


※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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