ポリフェノールが血液をサラサラに!?閉経後女性にうれしいチョコレートの効果

仕事の合間や疲れたときに、つい食べてしまうチョコレート。「カロリーが高くて太りやすい」「吹き出物の原因になる」といったネガティブなイメージもありますが、チョコレートには健康効果や美容効果など、女性にうれしい成分が含まれているそうです。
ここでは、株式会社アドバンスト・メディカル・ケアの管理栄養士・星野が、チョコレートの栄養成分や効果的な食べ方についてご紹介します。

血液をサラサラにするカカオポリフェノールの働き

抗酸化作用が強いことで知られるポリフェノール。赤ワインやコーヒー、ブルーベリーなど、多くの食品に含まれていますが、それらに比べても、チョコレートに含まれるポリフェノールはずば抜けて高いそうです。

「赤ワイン100gあたりのポリフェノール含有量は約230mg、コーヒー100gあたりの含有量は200mg。一方、高カカオチョコレートには、100gあたり約840mgものポリフェノールが含まれています。ミルクチョコレートと呼ばれるタイプにも100gあたり約700mgのポリフェノールが含まれているので、高カカオチョコレートが苦手な場合はそちらを選んでもいいでしょう」

■食品100gあたりのポリフェノール含有量

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※Scalbert A and Williamson G. J Nutr 130:20735-85S,2000.より抜粋

一口にポリフェノールといっても、カテキンやアントシアニン、コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)などさまざまな種類があり、効果も異なります。チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、どのような効果が期待できるのでしょうか。

「カカオポリフェノールは、血管を広げる働きをします。そのため、摂取することで、血圧の上昇を抑える効果が望めると考えられています。また、カカオポリフェノールが持つ抗酸化作用は、コレステロールの酸化を防ぎ、血液をサラサラにするため、動脈硬化の予防も期待できるでしょう。

女性ホルモンの減少によって、血圧の上昇やコレステロール値が高まるリスクのある更年期の女性には、積極的にとってもらいたい成分のひとつですね」

<カカオポリフェノールの継続摂取が閉経後の健康を守る!?>

2018年に「閉経後の女性がカカオポリフェノールを継続して摂取することで、インスリン抵抗性や血圧、コレステロール値の改善が見られた」という興味深い研究結果が、東京医科大学と株式会社明治の研究グループから発表されました。

閉経後は女性ホルモンの低下によって、「高血糖」「高血圧」「高コレステロール」といった3つのリスクが高まります。これらの予防・改善には、食事や運動といった生活習慣の見直しが必要不可欠ですが、カカオポリフェノールの継続摂取も大きな助けとなる可能性がありそうです。

チョコレートに含まれるテオブロミンが脳や体をリラックスさせる

チョコレートには、カカオポリフェノール以外にも、女性にうれしい成分がたくさん含まれています。そのひとつが食物繊維です。

「食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、チョコレートにはその両方が入っています。中でも、昆布などにも含まれるリグニンという不溶性食物繊維が豊富。リグニンには、便の量を増やして体外に排出しやすくする働きがあるため、便秘の予防・改善をサポートしてくれます」

そして、もうひとつ注目したいのが、テオブロミンという成分。これは、チョコレートの苦みを生み出す成分で、カカオ豆以外にはほとんど含まれていないといいます。

「テオブロミンには自律神経を調節する作用があり、脳や体をリラックスさせる効果が期待できます。仕事で疲れたときやイライラしたときは、チョコレートを食べて一息つきましょう。また、テオブロミンには、体内での脂肪の蓄積を抑制する作用もあります」

チョコレートの主原料であるカカオ豆の脂質は、体内に吸収されにくい性質を持っているそう。太りやすいと思われがちなチョコレートですが、選んで食べれば実は太りにくい体づくりに適した食品なのです。

食べるときの注意点は?体にいいチョコレートの選び方

女性にうれしい成分を豊富に含むチョコレートですが、その効果を得るためには選び方が大切。一般的なミルクチョコレートや製菓用の純チョコレートには、砂糖や植物性油脂が配合されているため、一度にたくさん食べすぎないよう注意したいところです。

「ミルクチョコレートや純チョコレートにもカカオポリフェノールは含まれますが、配合されている原料によってカロリーも高くなってしまいます。また、ホワイトチョコレートにはカカオがまったく入っていないため、カカオポリフェノールやテオブロミンなどの効果は期待できません。

チョコレートが持つ効果を得やすいのは、やはり高カカオの物。カカオ含有率が70%以上のチョコレートを選ぶといいでしょう」

チョコレートを食べる際には、次のような食材といっしょにとるのがおすすめだそうです。

「アーモンドやクルミといったナッツ類には、カカオポリフェノール同様、強い抗酸化作用を持つビタミンEが豊富に含まれています。チョコレートといっしょにとることで体内の酸化を防ぎ、血圧の低下や動脈硬化の予防などへの相乗効果が期待できます

このほか、フルーツと合わせてとるのもおすすめですね。フルーツに含まれるポリフェノールには、血行促進や免疫力アップといった働きがあります。特に、オレンジなどの柑橘類はクエン酸を含んでいるので、疲労回復にも役立ちますよ」

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高カカオチョコレートは1日25gを目安に取り入れよう

普段、何気なく食べているチョコレートも、高カカオの物を選ぶことで、健康にも美容にもたくさんのメリットがあります。

とはいえ、チョコレートは脂質が多く、カロリーも高いため、食べすぎは禁物。1日25g程度を目安に、上手に取り入れましょう。


<記事監修>

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(株)アドバンスト・メディカル・ケア所属。大学の栄養学科卒業後、保育園で新メニューの開発や、食育などに携わる。自然派化粧品会社勤務を経て、2017年よりアドバンスト・メディカル・ケアに入社。2018年より東京ミッドタウンクリニックに併設するサプリメントショップ「ヘルスケアショップTMMC Plus」に勤務。健康診断や人間ドックの結果をもとに生活習慣に関するカウンセリングや、食生活のアドバイス、さらに美容、ダイエットのご相談など管理栄養士の立場からサポートをしています。


<ヘルスケアショップTMMC Plus>

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