老化を抑制する「抗酸化作用」とは?おすすめの食べ物も紹介

年齢を重ねると、誰しも身体は老いていくもの。 そこで、「年齢よりも若く見られたい」「いつまでもハツラツとしていたい」とお考えの方に意識していただきたいのが、"抗酸化作用"です。

この記事では、若々しさの味方になってくれる抗酸化作用について深掘りします。
抗酸化作用の強い食べ物を具体的に挙げていますので、日々の食事から摂取することを意識してみてくださいね。

老化の原因

老化が起きる原因の一つは、身体の"酸化"です。酸化とは物質と酸素が結びつくはたらきのことを指します。自然界では金属が酸化すると錆びたり、食べ物が酸化すると変色を起こして腐ったりしますが、人間の身体の中でも同じような現象が起こるのです。

人間は、呼吸を通じて酸素を取りこみ、生命を維持しています。この呼吸によって取り込まれた酸素の一部は"活性酸素"に変化し、体内に侵入してきたウイルスや細菌から身体を守る免疫機能の役割を担っています。しかし、この活性酸素がストレスや激しい運動、喫煙、紫外線、大気汚染などによって体内で過剰に増えると、正常な細胞にダメージを与えて老化を引き起こす原因となるのです。

抗酸化能力とは?

抗酸化能力とは、体内で過剰に増えた活性酸素の発生を抑制・除去したり、細胞に生じたダメージの修復・再生を促したりするはたらきのことです。私たちの身体には、もともと酸化ストレスのダメージから細胞を守る能力が備わっています。若い頃はこの抗酸化能力によって活性酸素の量は一定に保たれていますが、加齢に伴って徐々にはたらきが衰えていきます。

そこで、抗酸化作用のある食べ物によって、抗酸化能力をサポートすることが大切になってきます。日頃から積極的に摂取して、酸化を抑制していきましょう。

抗酸化作用のある食べ物

抗酸化作用が期待できる食べ物には、どのようなものがあるのでしょうか?
以下で具体的にご紹介します。


ビタミンA

ビタミンAは、活性酸素を抑制・除去するはたらきがある脂溶性ビタミンの一種です。不足すると、肌や粘膜が弱くなり感染症にかかりやすくなったり、免疫機能が低下したり、夜間にものが見づらくなるという症状を引き起こします。ビタミンAには主にレチノールとβ-カロテンの2種類があり、レチノールは肉・魚類に、β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれています。

ビタミンAを多く含む食べ物
レチノール レバー、うなぎ、銀だら、あなご
β-カロテン モロヘイヤ、ニンジン、かぼちゃ、かぶの葉、小松菜

なお、β-カロテンは、油と一緒に摂取すると吸収されやすくなるという性質をもっています。緑黄色野菜は、炒めたりオイルの入ったドレッシングをかけたりして、効率よくビタミンAを摂取したいところです。


ビタミンC

ビタミンCは、活性酸素から細胞を守る、抗酸化作用のある水溶性のビタミンです。免疫機能の向上や、抗ストレスホルモンの生成を促すはたらきがあります。また、シミのもとになるメラニンの生成を抑え、コラーゲンの生成にも効果を発揮します。

ビタミンCを多く含む食べ物
  • キウイ
  • いちご
  • みかん
  • グレープフルーツ
  • ブロッコリー
  • パプリカ

ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いという性質をもっています。長時間茹でると溶け出してしまうため、電子レンジで調理するか、生食できるものは生のまま摂取するのがおすすめです。


ビタミンE

ビタミンEは、強い抗酸化作用をもった脂溶性のビタミンです。血流を促進するはたらきがあるので、肩こりや冷え症の改善に効果を発揮します。


ビタミンEを多く含む食べ物
  • ブロッコリー
  • ひまわり油
  • ピーナッツ
  • アーモンド
  • アボカド
  • たらこ

ビタミンEは、ビタミンAのβ-カロテンと同様に、素材のまま食べるよりも油と一緒に摂ると吸収率が上がります。調理に使う油は酸化した古いものではなく、新しいものを使用するように心がけましょう。


ポリフェノール

抗酸化作用が強いことで知られるポリフェノールには、アントシアニンやイソフラボン、セサミン、カテキンなどが含まれます。

ポリフェノールを多く含む食べ物
アントシアニン 赤ワイン、ブルーベリー、紫芋
イソフラボン 大豆、豆乳、おから、納豆
セサミン ごま
カテキン 緑茶、紅茶、烏龍茶
カカオポリフェノール カカオチョコレート、ココア

ポリフェノール含有量がずば抜けて多いのはチョコレートです。カカオポリフェノールには血管を広げる作用があるので、血圧の上昇を抑えてくれます。さらにコレステロールの酸化を防ぎ、血液をサラサラにするので、動脈硬化の予防も期待できます。

赤ワイン100gあたりのポリフェノール含有量が約230mgのところ、高カカオチョコレート100gには840mgものポリフェノールが含まれています。ミルクチョコレートでも約700mg含まれているので、苦みが苦手な場合はミルクチョコレートを選んでもいいでしょう。

また、注目していただきたいのが、カテキンがもたらす抗酸化作用です。特に緑茶にはカテキンが豊富に含まれ、動脈硬化の予防のほか、コレステロールの吸収抑制や脂肪燃焼効果があります。お茶で摂取しやすいところもいいですよね。

女性は年を重ねると女性ホルモンが減少し、血圧やコレステロール値が上昇しやすいといわれているので、ポリフェノールは特に嬉しい効果です。


カロテノイド

カロテノイドは、野菜や果物、魚など、多くの食品に含まれる、赤または黄色の色素成分です。リコピンやβ-カロテン、アスタキサンチンがカロテノイドの一種で、いずれも強い抗酸化作用を有しています。

カロテノイドを多く含む食品
リコピン トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ、グァバ
β-カロテン かぶの葉、にんじん、かぼちゃ、ほうれんそう
アスタキサンチン 鮭、ます、いくら、えび

女性ホルモンが減少する40代以降は、一般的に悪玉コレステロールの数値が高くなります。この増えすぎたコレステロールを回収して、動脈硬化を抑制するはたらきをもつのが"善玉コレステロール"です。リコピンを豊富に含むトマトは、善玉コレステロールを増やして血液をサラサラにし、血圧を下げる効果があるため、血管内の健康を保つ効果があります。

また、鮭やいくら、えびなどに多く含まれるアスタキサンチンは、ビタミンCの約6,000倍、ビタミンEの約500倍もの抗酸化作用をもつ成分です。紫外線ダメージによってつくられるシワを抑制してくれるので、美肌を保つためには欠かせません。この強力な抗酸化作用は、肌だけでなく、脳や目といった細胞の内部にも作用します。

抗酸化作用のある食べ物を摂取して、過剰に増えた活性酸素を抑制しましょう

私たちの身体の中にある活性酸素が過剰に増えると、老化とともに生活習慣病も招くおそれがあります。抗酸化作用のある食べ物を摂取すれば、体内で過剰に増えた活性酸素を抑制することに期待できます。特に、ビタミンAやビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドを多く含む"色の濃い"食べ物を積極的に摂取するのがポイントです。

ただし、「身体に良いから」と特定の食品だけを過剰に摂取することは避け、栄養のバランスを考えて、健康的な食生活を送りましょう。

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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