美容コラムニスト近藤須雅子さんに聞く「美容医療超入門」【第1回(全4回)】
美容クリニックや美容医療について詳しく知りたいけれど、口コミやクリニックの広告が中心で、なかなか正確な情報を得られない。「シミが簡単に取れた」という書き込みもあれば「かえって濃くなった」「すぐ再発した」といった失敗談もあって、どちらの例が多いのか、どうすれば望みどおりの結果を得られるかわからない。施術のリスクや回復日数、治療費などの幅が広くて、何を基準にすればいいのか判断できない。
そんな疑問に応える美容医療の超基本情報を近藤須雅子さんに聞きました。
第一回
そもそも美容クリニックって、どういうところ?
医療で培われた技術で美容に関する希望や生活の質を高める手助けをするクリニックを、一般的に美容クリニックと呼んでいます。たとえば、ただニキビを治療するだけなら一般皮膚科で保険治療となりますが、ニキビ跡を残さず"美しく"治すのは保険適応外。美容医療の範囲になります。
美容医療というと、まずレーザー治療や美容外科手術を思い浮かべがちですが、スキンケアのアドバイスからほくろの除去、医療痩身、抗老化サプリの処方と、施術内容は多岐にわたり、美容皮膚科や美容外科だけでなく婦人科のあるクリニックも。
意外に知られていませんが、眉やアイラインのアートメイクやピアスの穴開けも、美容医療施術。いずれも針などを人体に刺す行為ですから、安全性や感染対策を熟知した医療従事者以外が行うのは違法です。こうして見ていくと、美容クリニックは想像以上に身近な存在かもしれません。
クリニックによって治療費が違うのはなぜ?
美容医療施術は、健康な状態で希望を叶えるために行うもの。怪我や病気のように緊急性があったり、不可欠な治療ではないものが大半で、保険適応ではなく自由診療です。そのため保険治療のように決められた額ではなく、クリニックや治療法によって費用は異なります。
たとえばシワなどにヒアルロン酸を注入する場合、シワの多さや深さなどによって使用量は増減しますし、注入するヒアルロン酸自体も多くの種類があって価格にも差が。ドクターの技術やセンス、クリニックの施設等も治療費に反映することもあります。その結果、"シワのヒアルロン酸注射"と一言で言っても、AクリニックとBクリニックでは数倍以上違うことも。またシミ取りレーザーやHIFUなど施術機器も、各機種によって数千万円するものからその数分の1のものまで多種多彩。レーザー照射後の再発予防治療に力を入れているクリニックなら、その治療費も加わりますし、総額が他クリニックの数倍になることもあります。
とはいえ、複数のクリニックのHPなどを見比べれば、一般的な費用がつかめるはず。院長の治療方針や医師のキャリアなどと合わせて、検討するといいですね。
次回も「近藤須雅子さんにお聞きする美容医療超入門」をお届けします。
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近藤 須雅子(こんどう すがこ)
美容コラムニスト
美容エディターとして多数の女性誌、美容雑誌で美容記事を取材・執筆。美容医療に関する深い知識と、大胆な語り口、独自の視点でドクターからの信頼も厚い。著書に『プチ整形の真実』(講談社)、「医師・医療スタッフのための化粧品ハンドブック」(著者 平尾哲二 中外医学社)など寄稿も多数。