美容コラムニスト近藤須雅子さんに聞く「美容医療超入門」【第4回(最終回)】

美容コラムニストの近藤さんの連載の最終回は、アドバンスト・メディカル・ケア 小野寺マネージャーとの対談となります。テーマは「美容医療とスキンケア」です。
もっと知りたい美容医療
小野寺さん(以下、小野寺):近藤さんの連載最終回にあたって、「美容医療」と「スキンケア」についてお話しを伺いたいと思います。
私は東京ミッドタウン皮膚科形成外科Noage(ノアージュ)共同開発のスキンケア・ヘアケアブランドや医師監修サプリメントなどのコミュニケーションを担当しています。
多くのお客さまからさまざまなお声をいただくのですが、「美容医療」が身近になる中で、「美容医療」に対する多様な説とともに、「美容医療」に対する過度な期待があるように思います。極端な方だと「美容医療で何とかなるから!」と、スキンケアを軽視する方もいらっしゃるようです。
近藤さん(以下、近藤):日々のスキンケアと美容医療の関係は、食事にたとえるとわかりやすいかと思います。たとえば、スキンケアを毎日の食事とすれば、美容医療は薬膳のような健康に配慮した料理。ふだんの食事が乱れていれば、薬膳レストランに行くと体調が良くなることはあると思います。ただ、毎日3食、レストランで食事するわけにはいかないでしょう。
スキンケアも同じで、朝夜のスキンケアを月60回、きちんと続けて肌を健やかに保つことが大前提。美容医療はそれに+αのごちそうやご褒美のようなものではないでしょうか。
日々の歯磨きと審美歯科クリニックとの関係と同じですね。毎日のスキンケアを怠って美容クリニックに期待するというのは、毎日歯磨きをしないで月に数回、審美歯科でクリーニングやホワイトニングをするようなものだと思います
小野寺: そもそも肌にとっては、スキンケアだけではなく、食生活や睡眠時間なども含めて大切ですよね。
近藤: 肌は心身の健康を映す鏡。健康的な生活習慣あっての美肌ですね。
小野寺: テレビやネット・SNSなどで宣伝広告があふれて美容医療が身近になるなか、「施術をしたらそれで終わり」、あるいは「施術だけでキレイになれる」とスキンケアを軽視される方もいるようですが...。毎日のスキンケアが大切なことを大前提として、美容医療・施術にフォーカスして、施術前後はどんなケアを心がければいいと思われますか?
近藤:
美容医療施術や美容クリニックに、つい過剰な期待をしたり、特別な施術なのだと考えがちですが、美容クリニックは肌の健康や美しさのプロフェッショナルと考えればいいと思います。たとえば、肌の調子がよくないときやどういう化粧品を選べばいいのかわからないといった未病の肌トラブルを相談するには、美容クリニックがベスト。
先ほどの食事の例で言えば、肌の調子が悪いときやどんな化粧品を使っても乾燥してしまうというとき、化粧品カウンターでBA(ビューティーアドバイザー)さんに相談するのは、おなかの調子が悪いときにレストランに相談するようなもの。化粧品やレストランは健康な人のための商品やサービスであって、体調が悪いときはドクターに相談すべきですよね。
自分にはどんな化粧品が向いているのか、どういうケアをすればいいのかなど、美容クリニックのドクターなら丁寧に教えてくださるはず。逆に、そうした基本的な知識を軽視して外科的な施術を薦めるクリニックは、いかがなものかと思います。
小野寺: 私の担当しているスキンケア開発で、いつもお仕事をご一緒している皮膚科医の先生も同じようなお話をされます。肌の状態が悪いときこそ、皮膚科を受診してほしいと。
近藤:
くすみや色ムラなど、特別な美白治療をしなくても、専門医のアドバイスに従って正しいスキンケアを行うだけで改善することはたくさんあると思います。スキンケアだけでは解消しきれないシミをレーザー治療するにしても、また、肌状態が不安定だったりケア不足でくすんでいたら、レーザー治療自体を行えなかったり本来の治療効果を発揮できないことも。まず正しいスキンケアあっての美容施術ですよね。
特にシワやたるみなどのエイジングケアを考えておられる美容医療ビギナーは、いきなり過激な施術を試すよりも、ドクターとともにスキンケアを見直すことをオススメします。そのクリニックのドクター自身が監修されている化粧品もオススメですね。開発者であるドクターが熟知されているわけですから、どれが自分に適しているのか、どう使えばいいのかまで、ベストな方法を教えていただけます。
小野寺: 美容医療からスキンケアまで、私達の選択肢が増えたからこそ、正しい知識や情報を得ることの大切さを実感しました。私もスキンケアのコミュニケーションを担当する立場として、これからの発信にあたってたくさんの気づきをいただくことができました。本当にありがとうございました。

小野寺 加寿美(おのでら かすみ)
株式会社アドバスト・メディカル・ケア
東京ミッドタウン皮膚科形成外科Noage(ノアージュ)と共同開発で生まれたドクターズコスメ「MUNOAGE(ミューノアージュ)」のブランドマネージャーなどを経て、現在、ウェルビーイングプロダクト事業 CRM室にてスキンケア・ヘアケア・サプリメントのコミュニケーションを担当。
アドバンスト・メディカル・ケア総合ブランドサイト
https://www.amcare.co.jp
これまでの「近藤須雅子さんにお聞きする美容医療超入門」はこちらからご覧ください。
美容コラムニスト近藤須雅子さんに聞く「美容医療超入門」【第1回(全4回)】
美容コラムニスト近藤須雅子さんに聞く「美容医療超入門」【第2回(全4回)】
美容コラムニスト近藤須雅子さんに聞く「美容医療超入門」【第3回(全4回)】
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この記事を書いた人

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近藤 須雅子(こんどう すがこ)
美容コラムニスト
美容エディターとして多数の女性誌、美容雑誌で美容記事を取材・執筆。美容医療に関する深い知識と、大胆な語り口、独自の視点でドクターからの信頼も厚い。著書に『プチ整形の真実』(講談社)、「医師・医療スタッフのための化粧品ハンドブック」(著者
平尾哲二 中外医学社)など寄稿も多数。
Yahoo!ニュースでもエキスパートとして「今どきの美の事情」をテーマに発信中。
https://news.yahoo.co.jp/expert/authors/kondosugako
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