輝く人

神崎 恵さんに聞く、プレ更年期・更年期を健やかに美しく過ごすために大切なこと【後編(全3回)】

ジャケット¥68,200〈コルコバード〉パンツ¥31,900〈ダブルスタンダード...

ジャケット¥68,200〈コルコバード〉パンツ¥31,900〈ダブルスタンダードクロージング〉(ともにフィルム)ブレスレット¥6,300(アビステ)
©問い合わせ先 アビステ 03-3401-7124/フィルム 03-5413-4141


30代後半を迎えるとプレ更年期に差し掛かり、「昔と比べて気持ちが落ち込みやすくなった」と感じる女性が少しずつ目立ってくるようです。日常生活だけでなく、仕事に影響を及ぼさないためには、自分の気持ちや感情をコントロールする必要があります。

今回は、3人のお子さまを育てながら、美容家の輩出プロジェクト「神崎美容塾」の運営、そして自分らしい美容と健康の追求・発信をつづける、日本を代表する美容家の神崎恵さんのインタビュー記事第三弾です。プレ更年期・更年期を迎える方に向けて、仕事をしながらも子育てや家事で多忙な日々の中、メンタルを安定させるために大切なことや、意識していることを伺いました。年齢を重ねても、気持ちを落ち着かせて自分らしい生活を送りたい方はぜひご一読ください。

なお、本インタビューの第一弾では、女性ホルモンと上手に付き合って、更年期を健やかに過ごすために大切な女性ホルモンマネジメント®、第二弾ではフェムテック・フェムケアアイテムについて伺っています。プレ更年期・更年期におけるさまざまな症状やお悩みに関する情報収集にご活用ください。

時間がなくても、運動の時間を確保して自然とぐっすり眠れる習慣をつける

――神崎さんはプレ更年期・更年期を迎えるにあたって、メンタルを安定させるために、気をつけていることや、実践されていることはありますか?

神崎恵さん(以下、神崎):私が意識していることは、運動・睡眠・やりがいの3つです。そのなかでも、運動と睡眠の2つはメンタルを良好に保つために必ず取り入れるべきだと思っています。適度に運動してしっかり寝ていれば、運動による程よい体への負荷が質の高い睡眠につながり、メンタルが自然と健やかになるものだと考えているからです。

多忙な日々のなかに運動を取り入れるのは大変かもしれませんが、年齢を重ねていくごとに、やったほうがいいことは増えるものです。例えば運動も、やったほうがいいと分かってはいても、面倒だったり、腰が上がらないという場合もあるでしょう。そんな時は、「面倒だな」と「やったあとの気持ちよさや爽快感」を天秤にかけてみるんです。少しでも「気持ちよさ」が勝るなら、運動してみる。そんなふうに、今の自分には何が必要かを想像し、考え、選択することが大切です。

適度な運動を取り入れつつも、しっかり眠って身体は休めることが大切です。たとえば、成人以降の59歳までの目標睡眠時間は6~9時間とされているので、厚生労働省が発表している年齢に応じた最適な睡眠を確保するとよいでしょう。

また、自分の気持ちを落ち着かせるには、日々のなかにやりがいを見つけることも大切なことの1つです。私であれば子育てになります。息子たちのために何かしているときは楽しくて、それが生きがいでもあります。仕事をしながら子育てすることは大変ですが、モチベーションアップにもつながっていると感じます。ご自身にとってのやりがいをぜひ見つけていただきたいと思います。

参照元:厚生労働省 第1回 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会 資料2(令和5年7月31日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001126766.pdf

――毎日、10分だけでも運動したほうがよいということでしょうか?

神崎:理想は1日30分以上ですが、少しの時間からでもまずは始めることが大切です。運動するとモヤモヤした気持ちが吹き飛んで、頭の中がクリアになります。体は疲れますが、そのぶんしっかりと寝られるようになります。運動した日は体が疲れてぐっすり眠れる、というとても良い生活サイクルにつながって、体にも良い影響を与えてくれるでしょう。

自分ができる範囲を見極めて、頑張りすぎないように適切に周囲を頼る

――これからも子育てしながらお仕事を続ける方は多くいらっしゃると思います。神崎さんが子育てしながらも、健やかに働くために気をつけていることや、コツは何かありますか?

神崎:正直、私も正解はわかっていません。

ただ、誰かと比べる必要はないと感じます。誰かができているのに自分ができないこと、逆に自分ができて誰かができていないことはたくさんあるものです。誰かを軸にして比べると、それが大きなストレスになってしまいます。私は自分のなかで優先順位をつけて、"できないことはできない"で割り切ることにしました。自分がストレスを感じないギリギリのラインを探って、やるべきことを一つずつこなしていくしかないと思います。

あとは、頑張りすぎないことも大切です。子育てしながら働いていると「子どもを言い訳にできない」という気持ちから頑張ってしまうものです。でもその結果、自分がつらくなってしまうので、自分なりのペースを見極める必要があります。家事を誰かに頼ったり、費用はかかりますが食材の買い物は宅配を利用したり......といったように、工夫して自分を許してあげることも大事です。

――女性における子育てとお仕事のバランスは、日本がこれからも取り組んでいかなければならないことなのかもしれないですね。

神崎:昔は、子どもを育てながら仕事をすることが難しいと言われていた時代でした。今は時代が変わって選択できる幅が広がりましたが、それによって今度は女性に対する責任が増えました。女性の生き方が時代とともに変わるたびに、悩みは増えていくのではないかと思っています。

特に、今が一番その難しさがある時代だと個人的には感じています。ここから10年、20年すると、もう少し女性が仕事や子育てをしやすくなる世の中に変化する気がしています。今は、ちょうどその2つが混じりあって、世の中が成長している段階なのかもしれません。

あくまでも他人は他人。周りに影響されずに自分に合う環境づくりを意識する

――働きながら子育てをする女性が、日常生活の忙しさと心身のバランスを保つためにどのようなことに気をつける必要があると思いますか?

神崎:ストレスによって心が削られてしまう前に手を打つことです。極度のストレスを抱えてしまったら、前向きな気持ちを取り戻すのはかなり苦しいですし、時間がかかるものです。前もって、自分自身の違和感に対して敏感になっておくことが大切だと思います。

今はSNSを通じて、自分と誰かの世界を比べて心が痛んでいる女性が多いと聞きます。でも実は、見たくないものを自分から探しに行っている場合があるんです。まずやるべきことは「嫌なもの、苦手なものから距離を置く」という行動です。見たくないものを見ないで、できる限り関わりたくない人とは接触を減らしていくようにしていただきたいと思います。

忙しくてもメンタルは健全なときに、不要なストレスがかかると気持ちが苦しくなってしまう可能性があります。忙しさのあまり心と身体のバランスが崩れてしまうのであれば、その忙しさを打開する手立てを考えないといけません。

結局は、自分に対する環境づくりです。人間関係から始まり、身につけるもの、見るもの、聞くもの、すべてに対して「嫌だな」「居心地悪いな」と思うものを排除していく。でも意外とこれができている方は多くないような気がします。たとえば、本当は「行きたくないな」と思っているお誘いがあったとしても、仲間内での会話に置いていかれるのを恐れて参加してしまう......といったことが、あるのではないでしょうか?

疲れているときにSNSを見て、自分が惨めに感じられることもあると思いますが、そこは思い切って見ないことを選択する。私はそうすることが一番効果があると思っています。必要な情報だけを取り入れるようにして、ご自身の感情とのバランスを図っていただきたいと思います。自分の環境は自分で整える。どうしたら心や体が削られないですむのか?なにが心地いいのか?を常に感じ、考え、行動することが大切です。

SNSが流行しているこの時代だからこそ、他人と比べない環境づくりを心掛ける

今回は、美容家の神崎恵さんに、プレ更年期・更年期においてメンタルを安定させるために大切なことをお伺いしました。

メンタルのバランスを保ちたいときは、多忙な日常生活でも適度な運動を取り入れて、ぐっすりと眠れる習慣をつけましょう。女性が仕事と育児を並行できる世の中になったからこそ、できることに優先順位をつけて頑張りすぎないように気をつけてください。

ライフステージにおけるプレ更年期・更年期を穏やかな気持ちで過ごすために、あくまでも自分軸で、他人と比べない自分らしい環境づくりを意識していただきたいと思います。

こちらの記事もぜひご覧ください。
神崎 恵さんに聞く、プレ更年期・更年期を健やかに美しく過ごすために大切なこと【前編(全3回)】
神崎 恵さんに聞く、プレ更年期・更年期を健やかに美しく過ごすために大切なこと【中編(全3回)】

(取材:吉原緑子 文:金澤優理)



profile

神崎 恵(かんざき めぐみ)

神崎 恵 (かんざき めぐみ)

1975年生まれ。美容家。
美容誌をはじめ、多くの雑誌で連載を持つ他、企業のタイアップやイベントの出演も多数。また、コスメブランドのアドバイザー、アパレルブランドとの商品開発など活動の幅を広げている。3人の息子をもつ母として、日々の暮らしや美容情報満載のInstagramはフォロワー数63万人超え。現在は神崎美容塾の塾長として、後進の育成にも尽力している。書籍も数多く執筆し、著書累計発行部数は170万部を突破。
最新刊「一生もの基礎知識 美容の教科書」(講談社)が11月17日発売。

Instagram:https://www.instagram.com/megumi_kanzaki/
オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/kanzakimegumi/

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
輝く人
この記事をシェアする

この記事は、働く女性の医療メディア
ILACY(アイラシイ)の提供です。

“おすすめ記事recommended

CATEGORYカテゴリー