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「ジュエリーが似合わない女性なんていない」永松麗子さんに聞く、自分の輝かせ方【後編(全2回)】

年齢を重ねると、メンタルの面でも、見た目のコンディションでも、ご自身のさまざまな変化を実感することとなります。「仕方ない」と受け入れようにも、どうしても気になってしまう......。そんな方も多いことでしょう。

年齢を重ねると、メンタルの面でも、見た目のコンディションでも、ご自身のさまざまな変化を実感することとなります。「仕方ない」と受け入れようにも、どうしても気になってしまう......。そんな方も多いことでしょう。

『ジュエリーは自分を美しく魅力的に見せてくれる最強の武器』
著書「後天性美女」でそう語るのは、ジュエリーデザイナーとして「jg(ジェイジー)」をはじめ、数々のブランドを手掛ける永松麗子さん。
33歳でジュエリーの世界に飛び込み、その後25年以上にわたりブランドを展開されています。
ジュエリーを通じてお客様の"美"を引き出し、またご自身も美しくあり続ける永松さんは、日々どのようなことを考えられているのでしょうか。

【前編】に続き、永松さんのインタビューをお届けします。

自分の軸を持ちつつ、ときには原点に立ち返ろう

――「美しさ」の観点で、永松さんが普段から意識されていることを教えてください。

永松さん(以下、永松):自分の外見を保つ、という意味においては、スキンケアにこだわったり、エステに毎月通ったり、といったセルフメンテナンスは欠かさず行っています。
同時に、美しくあるためには、やはり考え方、スタンスの部分も非常に重要ですよね。
私ぐらいの年代になると「自分が納得する美しさを手に入れる」という軸をしっかりと持つことが大切だな、と最近は思っています。

美しさの理想は「年齢は50代だけど、見た目は30代に見られたい」「年齢相応に、でも美しくありたい」など十人十色でしょう。大事なのは、それぞれが理想とされる美しさを譲らないこと、そしてそれを手に入れられるように努力することです。

近年は、特に若い世代の方々を中心に、SNSを通じて他人と自分を比べて落ち込んだり、自分の感性に自信が持てずに流行だけを追ってしまったりということもあると思います。
そんななかでも、他人に流されず、自分の軸をしっかり持つことが大切......と言いたいところなのですが、一方で私はファッション業界にも身を置いているので、それだけが正しいとも言い切れないところがあります。

ファッションの世界は、そのときそのときのトレンドや、時代の空気感を理解しておくことも非常に重要です。特に私は、これまでずっと携わってきたジュエリーだけでなくアパレルブランドも新しく立ち上げることになったので、より一層、時代を追っていく必要が出てきました。
「時代に流されまい」と頑なになっていては務まらない世界でもあるのです。

大切なのは、「トレンドを押さえながらも、自分のなかで譲れない部分はブレることなく守っていく」というバランス感覚を持つことですね。

――先ほど、年齢のお話が出ました。永松さんは、ご自身の年齢を実感されたことはありますか?

永松:年齢を重ねてきたことによる気持ちの落ち込み、いわゆる"ミドルエイジクライシス"に悩んでいた時期もありました。ここ2~3年で抜け出すことはできたのですが、考え方が後ろ向きになっていく実感が当時はありましたね。

もともと私は自分が「やりたい!」と思ったことに全力で進んでいくタイプで、言わば前のめりな人生を送ってきました。
ジュエリーの世界に足を踏み入れたときも、まったく経験のない状態でした。福岡からの上京や、六本木ヒルズへの出店も、誰かにお声がけいただいたのではなく自分の意思によるものです。
そんな調子で30代、40代を全力で駆け抜けてきたのですが、50代に入ったときに、ふと天井のようなものが見えた気がして、「いろいろ頑張ってきたけど、自分のレベルではこれが限界なのかな?」という気持ちになりました。

――そんなミドルエイジクライシスは、どのようにして抜けられたのでしょうか。

永松:自分で「これが良かったのかな」と思ったものは、大きく2つあります。

1つは、7年ほど前に出版した自分の本を読み返してみたこと。
この本には、30代当時の自分がどんな気持ちで脱サラしてジュエリーの仕事を始めたのか。そして、どのように日々を過ごしていたのか......といった、jg(ジェイジー)を始めてからの私の想いがすべて書いてあります。
気持ちに波が生まれたタイミングで本を読み返して、「私は何のために、この仕事をしていたんだっけ」という初心を思い出すことができました。

本を出したことがある方はそう多くはないとは思いますが、日記を読み返すとか、10年、20年前のご自身を思い出すといったかたちでもよいでしょう。そうやって原点に立ち返ることがメンタルを立て直すうえでとても大切だな、と実感しました。

そして、ミドルエイジクライシスを抜け出すために良かったことのもう1つは、周囲の先輩たちとコミュニケーションをとったことです。
私の周りには、60代、70代でも現役バリバリの経営者の方がたくさんいらっしゃいます。今現在、会社を経営されている方はもちろん、「今度、新しい会社を興そうと思っている」という意気盛んな方まで!
そんな、今でも第一線で活躍されている人生の先輩方と接していくうち「50代の自分なんて、まだまだ若いんだな」と気づきました。

「これからも人生は続いていくし、最後まで現役でいつづけることが大切なんだ」ということを確信するようになりました。

ファッション、ジュエリー、ビューティーは三位一体

――前編の記事で「ジュエリーは必要な無駄」というお言葉がありました。このお考えは、昔からお持ちだったのでしょうか。

永松:そうですね。実は、子供の頃からそんな考えを持っていました。
私には年の離れた姉がいるのですが、姉曰く、小さな頃から私はおしゃれが大好きだったようで(笑)、1日に何度もお洋服を着替えていたと言っていました。

やっぱり、自分を華やかに彩って生きていくほうが楽しいんじゃないか、という考えはずっとあります。ファッションもジュエリーも、無くても生きていくことはできるけれど、取り入れることによって人生の輝きが増すはずなので。そういった意味で「必要な無駄」だと思っています。

――永松さんご自身の感性は、ジュエリーやアパレルでどのように表現されているのでしょうか。

永松:先ほど申し上げた、今の時代の空気感を大切にしつつ、ただ流行を追うのではなく、そのなかに自分の譲れないものをスパイスとして効かせていく......という想いですね。それを、私と同年代の50代の方々に伝えていけたら、と思っています。
流行を楽しみつつも、そこに自分自身のこだわりや個性を出していくのが、ファッションの醍醐味ですから。
「必要な無駄」の話とも通ずる部分があるのですが、特に女性には、ご自身を彩ることで人生を華やかにしていただきたいという願いがあります。私が世に送り出すアイテムを通して、そんなメッセージを届けられたら素敵ですよね。

――今後のブランド展開についてお聞かせください。

永松:2024年にはついに、ずっと憧れだったファッションの世界にも足を踏み入れ、アパレルブランド「MO//REI」(モレイ)を立ち上げることになりました。

私が脱サラした当時のファッション業界は「餅は餅屋」という風潮が強く、新参者が簡単に参入できるような状況ではありませんでした。そこから25年ほどの年月が経ち、ファッションを取り巻く環境も変わってきたことで、こうしてアパレルブランドを自分で立ち上げられるようになったのは、感慨深いものがあります。
もちろん外的要因だけでなく、私自身の変化もあります。この歳になっていろいろな面で自分が成熟してきたという実感があり、ジュエリー以外の分野でもアウトプットしてみたい気持ちになったのです。そこで最終的に行き着いたのがファッションでした。

ジュエリーとファッションの2軸で展開していくことによって、今後はお客様にトータルコーディネートのご提案も可能になります。実際に、MO//REIのオーダー会にいらっしゃったjg(ジェイジー)の常連様には「この服に、先日ご購入いただいたブラックダイヤを合わせると素敵ですよ」といったお話もさせていただきました。こういったかたちで、より多角的なご提案ができるようになるといいなと考えています。

もともと、私自身の考えとして「ファッションとジュエリーとビューティーは、三位一体である」というものがあります。「ジュエリーは大好きだけど、ファッションはそこまで......」という方も、その逆の方ももちろんいらっしゃいます。ビューティーにしても同様ですね。
でも、この3つをそれぞれ極めて、かつ3つを調和させることで相乗効果が生まれ、女性の美をより引き出してくれるはずだと私は考えます。
そういった意味でも、まずは3つのうち2つ、ファッションとジュエリーに今後は力を入れていきたいですね。将来的にはビューティーの分野にも進出できたら素敵だな、と思っています。



jg×スイス・パーフェクションの合同イベントを実施

2023年12月には、"ジュエリーのように輝く肌を作る"をコンセプトとして掲げた特別なイベント「THE BEAUTY BLUE Salon」が実施されました。

jg(ジェイジー)と、このたび国際アウォード「OH LA LA Spa&Wellness Award」ベスト・スパプロダクト部門「BEST」賞を受賞したスキンケアブランド「スイス・パーフェクション」のコラボレーションとなる本イベント。永松さん、MC*、スイス・パーフェクションのブランドマネージャーがスキンケアの"今"についてトークを展開し、jgの輝かしいジュエリーに囲まれた空間で濃密な時間をプロデュースしました。

参加者のみなさまは、スイス・パーフェクションのアイテムを使ったリッチなハンドマッサージを体験しました。スキンケアアイテムは実際に体験しないとなかなか本来の魅力が伝わりきらないという側面がありますが、その点において本イベントはjgのジュエリーとスイス・パーフェクションがもつラグジュアリーな華やぎがしっかりと感じられる場だったのではないでしょうか。

*MC:ミヤビブランドコミュニケーションズ代表 田中雅之さん


「OH LA LA Spa&Wellness Award」
https://ohlalamag.net/spawellnessawards/winners-2023/

スイス・パーフェクション SWISS PERFECTION | 日本公式サイト

「必要な無駄」が、あなたの人生を輝かせてくれる

前編に続き、永松麗子さんのインタビューをご覧いただきました。

自分自身を美しく保つには、「こんなふうに綺麗になりたい」という、ご自身なりの美しさの軸を持っておくことが重要です。トレンドも意識したうえで、自分のなかにある軸を意識しましょう。
"おしゃれ"はしなくとも生きていけますが、きっとご自身の人生に花を添えてくれる「必要な無駄」です。ぜひ、ファッションとジュエリー、そしてビューティーの3つの観点で、あなたらしい毎日を楽しんでください。

こちらの記事もぜひご覧ください。
「ジュエリーが似合わない女性なんていない」永松麗子さんに聞く、自分の輝かせ方【前編(全2回)】

(取材・文:城下透子)



profile

永松 麗子(ながまつ れいこ)

永松 麗子(ながまつ れいこ)

Diamondeyes Studio Co., Ltd. 代表取締役。ジュエリーブランド「jg」「jg Active」デザイナー。
広告業界に従事した後、1999年に地元・福岡でオリジナルブランド「jewel GLAMOUR」を設立。2003年に拠点を移してからは、20年にわたり東京でブランドを展開し続けている。
2024年には"新たな喪服・ニューブラック"をコンセプトとするアパレルブランド「MO//REI」をローンチ予定。
2023年に実施したスイス・パーフェクションとのコラボイベントをはじめ、ジュエリーにとどまらず、女性の"美"を引き出すための活動を精力的に行っている。

公式Webサイト:https://jg1999.jp/
オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/diamondeyes/
Instagram:https://www.instagram.com/jg_reiko/
Instagram:https://www.instagram.com/MO__REI/

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。
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