肩こりやおなか周り...40代以降の上半身の悩みをエクササイズで解消!

コラム・心地よいわたし

更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんによる「40代からの体づくり」シリーズ。最終回は、上半身を強化するエクササイズをご紹介します。
上半身の筋肉量は、下半身に比べて比較的衰えにくいものの、体幹部は姿勢や内臓を支える上で重要な働きがあります。さらに、鍛えておくことで肩こりや首の痛みといった不調が改善される効果も期待できるのだとか。
ここでは、上半身の中でも特に鍛えておきたい部位のエクササイズについて、永田さんに教えていただきました。

骨に守られていない内臓を支えるのは筋力のみ

――上半身の筋肉にはどういった働きがあるのですか?

上半身の中でも、特に体幹部と呼ばれるおなか周りの筋肉は、内臓を支えるためにとても大切な部分です。というのも、上半身の胴体部分は背骨と肋骨があるだけで、内臓がある所には骨がありません。その代わり、腹斜筋(ふくしゃきん)や腹直筋(ふくちょくきん)、腹横筋(ふくおうきん)など、さまざまな筋肉が何層にもわたって存在しています。

よって、この体幹部を鍛えることで代謝アップにつながるのに加えて、いい姿勢をキープしやすくなります。すると、肩こりや腰痛、頭痛といった不調の改善も期待できますよ。

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――体幹部の筋肉が弱ってしまうと、体にどんな不調が表れますか?

体幹部の筋肉が弱ると、立ったときの姿勢が悪くなるのはもちろん、座ったときに骨盤が後ろに倒れることが多くなります。そうなると、恥骨(ちこつ)からみぞおちまでの距離が短くなるので内臓が圧迫され、血流が悪くなったり、便秘になりやすくなったりします

ですから、体幹部の筋肉をしっかり鍛えて、内臓のスペースを保つことが重要です。

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今回はその体幹部に加え、荷物を持つときなどに使う腕の筋肉も鍛えるエクササイズをご紹介します。

おなか周りを鍛えるにはプランクが効果的

最初にご紹介するのは、体幹部を鍛えるエクササイズの代表ともいえる「プランク」です。

腕とつま先で自分の体を支えるだけのシンプルなものですが、おなかだけでなく、背中や脚の筋肉も使うので全身に効くエクササイズになります。

<体幹部と腕を鍛えるエクササイズ>

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1. ひじをついて床にうつ伏せになる。

2. 肩からかかとまでが一直線になるようにお尻を上げ、10秒キープ。これを5セット行う。

プランクを行う際は、腰が反らないように注意してください。腰が反った状態のままプランクをすると、腰を痛める原因になってしまいます。おなかにグッと力を入れて、肩からかかとまでを一直線にするのがポイントです。

また、上半身は肩周りの関節を痛めないよう、あごが肩より下にならないように意識しましょう

同じプランクでも、次にご紹介する横向きプランクでは、体の側面を鍛えることができます。

<体幹部・体側部を鍛えるエクササイズ>

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1. 肩の真下にひじをついて横を向き、上側の脚を前に置いて下側の脚は伸ばす。下側の肩からかかとまでが一直線になるように、腰を浮かせてバランスをとる。

2. 「1」の状態で10秒キープを5回。反対側も同様に行う。

片腕だけではバランスをとるのが難しい場合は、上側になった手を床に置いてもOKです。慣れてきたら補助として置いた上側の手と脚を体の上に置き、下側の腕と脚だけで支えると、より効果的に体側部を鍛えられますよ。

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さらに、体幹部と体側部を同時に鍛えるには、次のようなエクササイズもあります。

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<体幹部と体側部を鍛えるバランスエクササイズ>

1. 肩の下に手、股関節の下にひざが来るように四つん這いになる。

2. 右手と左足を前後に伸ばしてバランスをとり、その状態で10秒キープ。

3. ゆっくりと四つん這いの状態に戻し、反対側の手足も同様に行う。左右5回ずつ。

このエクササイズのポイントは、肩関節の真下に手が、股関節の真下にひざがくるようにすること。きちんと、手と足を正しい場所に置くことで、手足を伸ばした時にバランスが取りやすくなります。

こちらもプランク同様、腰が反らないように注意してください。

二の腕を鍛えて肩こりや振袖肉とサヨナラしよう

最後に、二の腕(上腕二頭筋、上腕三頭筋)を鍛えるエクササイズを2つご紹介します。

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二の腕の筋肉が衰えると、物を持つときなどに首や肩に過度な負担がかかり、周辺のコリにつながります。また、年齢を重ねるごとに、"振袖肉"ともいわれる二の腕のお肉のたるみも気になりますよね。

二の腕の筋肉を鍛えると、物を持つのが楽になったり、肩こりが解消されたりするだけでなく、腕が引き締まって見た目も若々しくなりますよ!

<上腕二頭筋を鍛えるエクササイズ>

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1. 体の前で両手、両ひじを合わせる。

2. ひじが離れないように注意しながら腕を上下に動かす。20回を5セット行う。

このエクササイズは、ひじが離れると効果がないので要注意。ひじをつけたまま腕を上げ下げして、力こぶができる筋肉に負荷がかかるのが実感できれば正しくできている証拠です。

肩甲骨周りが硬い人や肩こりがひどい人は上げにくいと思うので、無理のない範囲で少しずつ行ってください。

続いては、上腕三頭筋を鍛えるエクササイズです。ひじを曲げ伸ばしする際に使う筋肉で、たるみやすい部位でもあります。しっかり鍛えておきましょう。

<上腕三頭筋を鍛えるエクササイズ>

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1. 両ひじを曲げた状態で腕を上げる。

2. 片腕ずつ、ひじから上を上方に振り伸ばして下ろす。50回を3セット行う。

腕を上げ下げする際に上腕三頭筋が伸縮するのを感じたらOK。太鼓を叩くイメージでトントントンと、リズミカルに行いましょう。

筋肉は何歳からでも鍛えられるので、あきらめないで!

3回にわたってお届けした「40代からの体づくり」では、ここを鍛えておけば日常生活が快適になるという筋肉のエクササイズを、まんべんなくご紹介しました。

何歳になっても鍛えることができるのが筋肉。加齢に伴って難しくなる動きが増えていく中で、筋力エクササイズは最も成功体験を得やすいものです。

エクササイズによって体が整うと、体調が良くなるだけでなく、心も強くなるはず。1日1種類でもいいので、ぜひ毎日続けてくださいね!


お話を伺ったのは...

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永田京子(ながた・きょうこ)さん

兵庫県出身、愛知県小牧市在住。2児の母。東映アカデミーに所属し、役者として舞台やドラマなどで活躍した後、ピラティスや整体、経絡、アロマ、リフレクソロジーなどを学び、ピラティス指導者、産後ケアのインストラクターとしての活動を開始。受講者の声と、更年期障害が悪化して苦しむ母を見ていた経験から、女性ホルモン・更年期の正しい情報と対策を伝えるNPO法人「ちぇぶら」を創設した。「ちぇぶら」は更年期を英語でいう「the change of life」の意。著書に「女40代の体にミラクルが起こる! ちぇぶら体操」(三笠書房)があるほか、先日「はじめまして更年期」(青春出版社)が発売したばかり。

NPO法人ちぇぶらホームページ
YouTube「ちぇぶらチャンネル」

本「はじめまして更年期♡」-min.jpg

はじめまして更年期」(青春出版社)
著:永田京子 定価:1,540円




※掲載している情報は、記事公開時点のものです。

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